◆今回の植林事業成果
   植林樹種:サンショウ(花椒)
   植林本数:約9,600本
   植林面積:約6ヘクタール

マルチングされた山椒の苗
サンショウ(山椒):
 植林地では一般的に2〜3月に植林し、その後の水分補給は基本的には降雨による。著しく水分量が足りない場合は、植林後1ヶ月に水分を与え、その後7〜8月に肥料を与え成長を促す。1年後(今回だと2005年3〜4月)に保育作業(枝の剪定)を行い、優良木へと育てる。
 サンショウが収穫できるようになるのは、植林してから3年目(2006年)で、その時の樹高は1.5m。
 植林本数と植林面積は、GPS受信機をもちいて植林面積の測量をおこなった。その結果は、約6haでサンショウ9600苗の植樹をおこなったと推定できる。しかし、6haのなかには道路・建造物も含まれるため、実際の植林面積や植林本数は少ないと考えられる。


《 植 林 作 業 手 順 》

@整地作業
  坑状整地工法、魚鱗坑整地工法の2種類を採用。主に坑状整地工法を用いるが、傾斜地では魚鱗坑整地工法を用いる。
A植林樹種
  サンショウ(実生苗・1年生)、記念植樹としてコノテガシワ(ポット苗・1年生)
  実験区樹種としてアブラマツ、ニセアカシア(共に実生苗・1年生)
コノテガシワ アブラマツ サンショウ ニセアカシア


B植えつけ配置
   長方形型を採用
C初植密度
   サンショウ:1600本/ha、株間1.5m×1.2m
D植林工程
  1.植え穴作りスコップを用いて直径75cm、深さ50cm(魚鱗坑:直径60cm、深さ60cm)の円柱状の植え穴を掘る。
  2.覆土@植え穴へ栄養分の多い表土を10cm覆土する。
  3.植栽植え穴の中心に樹の幹を垂直に立て、根が地面から露出しないように植栽する。
  4.覆土A苗木をしっかりと支えながら、工程1にて掘り起こした土を覆土し、苗木を傷つけない様に注意しながら踏み固めていく。再び表土を覆土し、水が中心に集まるように苗木を中心として周囲を高く、中心が低いクレーター状に整形作業を行う。
  5.マルチングマルチフィルムで植え穴全体を覆い、苗木を利用して中心に穴を開ける。フィルムをタイヤで固定し、タイヤの外側を土で覆い、踏み固める。タイヤを取り除き、整形する。マルチング資材は透明なマルチフィルムを採用とした。効果としては@地温を一定に保ち、殺菌消毒を行う。A水分蒸発を抑制する。B雑草の発生を抑制する。などが挙げられる。
  6.潅水作業マルチの中心に水が集まるように行う。
1.植え穴作り 2.覆土 3.植栽 4.覆土後踏み固める
5.整形作業 6.マルチング 7.タイヤで固定 8.タイヤ除去後、整形
9.潅水 10.完成

E潅水
   植林地内には黄河からのパイプラインがあり、台地上の農耕地で灌漑に利用されている。今回の潅水には台地上(菅家庄?)の
  井戸(深さ300m)が利用されていた。この水はトラクターで運搬され、バケツにより林班へ運ばれる。通常は植裁時に1回、
  1ヶ月後に1回潅水する。
パイプライン トラクター
F補植作業
  補植時には同規格の苗木を使用。活着率が85%を下回った植林地は全面補植を行う。
G保育・管理
  現地林業局により、専門的な管理と保護を行う。また、成林後は生態緑化林とする。


= 植 林 推 進 事 業 チ ー ム 所 感 =
植林事業推進チ−ムリーダ 後藤智哉
 (国士舘大学大学院人文科学研究科博士課程1年)
 事前の調査では3月の植林は不可能であるというのが植林チームの判断でした。しかし、現地での気温が高かったのと、小麦畑への植林という好条件により、スムーズに植林を行うことができた。
 今後の植林時期は、3月12日(植林デー)をはさんだ期間か、秋植え(9〜10月)が時期的には最良だと思いる。灌漑については、近隣の村の井戸および黄河からの揚水でまかなっている。しかし、井戸の深さは300mと深く、黄河の揚水利用も農作物優先という事で、今後植林地が拡大した時に干害が発生すると、苗の枯死防止のための手入れ(手作業での水やり)が大変だと感じた。
 実際、今回の植林地のなかでも一度植林して失敗した林地があったとの報告がありました。干害発生時のメンテナンス(バケツでの水やり)が、植林成功の是非を握っていると思う。
《 植 林 方 法 》
 植林方法については、現地林業局の指導のもと行ったが、日本での植林より丁寧で科学的なものだった。初日は植林方法の徹底がなされていなく、やり直しもあったが、最終日には規格通りに植林が行うことができ、植林スピードもかなり速かった。
 今回植林チームでは、植林地地図作成・植林マニュアル作成・新しい植林方法の提案及び実験林作成を行った。地図作成は、新型人工衛星を使用した。マニュアルについては、今回の植林がサンショウ1樹種であった為、完全ではない。また、土壌水分および植林時期の違いにより同一樹種でも異なった方法で行うので課題として残った。
 実験林は、農大の特許を使用しました。



区画ごとに整然と植えられた苗


【黄土高原緑化プロジェクト該当地域 一次隊植林地地図】




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