NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



第4次フィリピン減災・環境保全活動

 2月27日から3月8日までの10日間、学生37名と事務局1名がフィリピンのヌエバエシハ州ラオー市で活動しました。

 今回の活動の一番大きな目的は、地元のNGOであるBridges of Inter-cultural Harmony Inc.(BINHI)と、ラオー市ピナグバヤナン地区の協同組合KADREと“持続可能な災害に強いコミュニティモデルの形成”を目標に昨年の9月に結んだMOU(協定)を土台とした今後の計画についてのフィリピン側との意見のすり合わせでした。

 具体的な達成すべき項目としては3つあり、日本側・フィリピン側それぞれの3か年計画の制作、小学校企画を現地の若者たちと共に実施、現地の方がもとめるニーズの完遂でした。

■シクロング地区にて現地のニーズのための活動
 ラオー市のシクロング地区にて小学校でのゴミ捨て場の穴掘りや、小学校と高校それぞれでのエコブリックス作り、街の道路建設などをしました。フィリピンには、ゴミ処理のシステムがなく、埋めることでしか処理が出来ないためゴミ捨て場にはゴミが溢れかえっていました。
 そこで、ゴミ捨て場に新たな穴を2メートル×2メートル×1メートル(縦×横×高さ)程掘る作業をしました。エコブリックス作りでは、燃やすことのできないプラスチックゴミをペットボトルに詰める作業をしました。できたものはレンガの代用品として再利用しました。
 道路建設においては、雨が降ると通行止めになるほど道に水が流れてしまう砂利道に、現地の大工の方々と共に3メートル×25メートルほどの面積をコンクリ―トを敷き詰める作業をしました。この4つの作業は全て目標規準をクリアすることができました。

■小学校企画
 同じラオー市のピナグバナヤン地区の小学校にて、文化交流と防災訓練を実施しました。文化交流では、日本の遊びとフィリピンの遊びをそれぞれ体験しました。防災活動では、災害が起き怪我をしたときを想定した防災訓練をしました。
一緒に企画作りをしたフィリピンの若者からは、「小学校の企画は地域に大きなインパクトを与えられる」と言っていました。

■ピナグバナヤン地区においての現地のニーズのための活動
 ピナグバナヤン地区にて、用水路の整備や塀の建設、エコブリックス作りを実施しました。用水路の整備では、水が流れにくくなる程雑草が覆っていたため、雑草抜きやゴミ拾いをしました。これにより農業用の水として利用でき、洪水が起きにくくなりました。
 塀は、雨が降ったとき畑に泥が流れないように建築しました。エコブリックス作りでは、現地の子どもたちと一緒に交流しながら作業を進めていきました。

 これら3つの作業も全て目標規準をクリアすることができました。しかし、学生からは、「作業中、仕事を放棄してしまう現地の若者もいて、彼らの意識をどう向かせるかがこれからの課題になる」という意見もありました。

■現地の若者たち(BINHI)との3か年計画について話し合い
 現地の若者たちとIVUSAで、少人数に分かれて「理想の地域について」「それに向かって日本側、フィリピン側でどのようなことが必要か」の2つについて討論をしました。
 IVUSAの学生からは「双方もっと話し合う時間と知識が必要であると感じた。しかし、課題に向かう意識の方向はフィリピン、日本同じ方向を向いていることを確認できたのでよかった」との声が上がりました。

■リザール州レイバン地区への訪問
 フィリピンの大学であるミリアム大学の学生たちは、リザール州レイバン地区にて学生たちによるコミュニティ開発を積極的に行っています。そこでコミュニティ開発の成功例を学ぶため実際に村を訪問しました。
 ミリアム大学の学生と一緒にIVUSA とラオー市の若者たち(BINHI)は村の中を見学し、最後にはミリアム大学の教授に環境に対する取り組みについてお話をいただきました。今回の活動でより深い知識を身に付け、また自分たちの未来についての想像が広げることができました。

 今回の活動全体を通してフィリピンの若者たちは、「今回の活動に参加しながら、リーダーとしての自覚を持つようになった。IVUSAのリーダーから学ぶことが多かった」「資 金調達の道を探っていきたい」と話していました。

 IVUSA の学生たちからは、「今回の活動で得られた経験、知識を次の世代に伝えていかなければいけない」「現地の人たちの信頼に対してお返しができているか、もう一度考えるべきである」などの意見がありました。

 今回の活動では、この活動の達成すべき項目3つを達成することができましたが、3カ年計画の意見のすり合わせに対しては、まだまだ調整が必要であると感じられました。
 今回の活動において、良かった部分、改善すべき部分をそのままにするのではなく、何をすべきかを考え、両国で共有し、チームや5次隊以降につなげられるよう行動していきます。(近畿大学2年 宇野 樹)

※尚、この活動では株式会社ビジョンより協賛でグローバルWifi2台をレンタルさせていただきました。心から感謝申し上げます。
#グローバルWiFi
#GOBEYOND