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岡山県備前市日生諸島活性化活動

 9月15日から18日までの4日間、岡山県日生諸島活性化活動を実施し、学生89名、事務局2名が参加しました。

 日生諸島は、2015年4月に日生(本土)と鹿久居島、頭島に2つの橋がかかり、島と本土の車での移動が可能になり、瀬戸内海ならではの景観、自然の恵み、観光資源のさらなる有効活用が必要とされています。

 この活動では、夏期と春期に分けて、住民参加型の「里海の郷 (仮)」をつくることを目的に、海岸整備活動やフィールドワーク、観光企画の提案等を行っています。里海とは、人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域のことを言います(参考:里山)。

 初日は頭島に到着し開会式を行った後、定期船で大多府島に行きました。

 アマモという海草がありましたが、高度経済成長期の工場排水や生活排水などの垂れ流しの影響で大きな被害を受けました。以前までは500haあった生育海域は、12haまで減少しましたが、漁師の方々の再生への取り組みにより、250ha まで取り戻しました。

 最後までアマモが残った場所が亥の子浜海岸周辺であり、この場所を後世に残すために海岸整備活動を実施しました。

 学生たちは太多府島から頭島にある旧日生南小学校へ戻り、そこへ備前市長の田原隆雄さんと頭島レストランのシェフである寺田真紀夫さんがお越しくださいました。

 2日目は、宿舎として使用させていただいている旧日生南小学校の整備活動や頭島のお風呂を頂いている民宿の清掃のお手伝いをさせていただきました。

 その後、旧日生南小学校にて、備前観光協会事務局長の船橋美可さん、備前市地域おこし協力隊の森石雅行さん、南農園・帆野果の南さかえさん、創作工房クリエコ代表の山形忠正さんから、地元の方だからこそ知る地域の魅力や、地域が学生に求めていることをお話していただきました。

 3日目に頭島内や海上で行う予定であったアートイベントは、台風の影響により縮小し、旧日生南小学校での開催となりましたが、無事に行われました。学生は2つのグループに分かれました。一つは、創作工房クリエコ代表の山形忠正さんと共に作りあげるアートの準備をするグループ。もう一つは、住民の方々と交流会の準備をするグループです。

 アートイベントのグループは、メインとなる「備前わんぱく丸」と題した船をイメージした作品を作り、大多府島の清掃活動で回収した流木、うちわ等を色とりどりに装飾しました。

 そして交流会の準備をするグループは、住民の方々と一緒に日生の郷土料理である「かきまぜ」や新鮮な魚を刺身や煮付けにし、料理をしながら交流を深めました。

 夜には、住民の方々との交流会を実施し、ライトアップされた作品を見ながら、楽しい夜を過ごしました。

 4日目に、頭島の民宿で、朝食とお風呂をいただいた後、8つのグループに分かれて頭島ツアーを行いました。備前市観光ボランティア協会のボランティアガイドの方々の引率により、日生諸島の知見が広がると共に、日生のこれからを考える貴重な機会となりました。

 住民の方々を交えたワークショップではグループに住民の方を招いて、日生の抱える問題点などについて議論し、様々な課題の解決案を発表しました。

 今回の活動は、住民参加型の第一歩にすぎません。これからも、日生の地域活性化について学生だからこそできることを住民の方々と共に考えながら、活動を続けていきます。

 最後になりましたが、この活動にご協力いただいたすべての方々に厚く御礼申し上げます。(法政大学3年 山下 穏春)

【プロジェクトマネージャーより】
 今回は、台風が通過する中、市役所、住民、各セクターの皆様に活動や交流会に参加していただき、無事に活動を成功させることが出来ました。
 これからも、日生の住民の皆様と、日生の地域資源を活かした地域活性化について考え、実行していきます。

 活動を実施するにあたって、関係者の方から多大なるご協力を頂きましたことを感謝します。
 今後とも、よろしくお願い致します。(長崎県立大学3年 原 真奈美)