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東日本大震災復興支援活動

 3月9日から3月13日にかけて学生145名と事務局員2名で東日本大震災復興支援活動を実施しました。

 IVUSAは2011年3月11日に起こった東日本大震災の発災直後から、宮城県石巻市や気仙沼市を中心に復旧支援活動を行い、2012年4月からは条例で津波防災区域第一種区域に指定され、復旧活動が遅れていた宮城県亘理郡山元町において活動を実施しています。

 今回の活動では「繋げる今、生き抜く未来」というコンセプトを掲げました。私たちが「復興」「防災」「命を守ること」といった様々な課題を自分ごととして学び、「命」を守るためにできることに向き合い考えることで未来を生き抜く力を身に付けることを目的としていました。

 活動1日目は、宮城県亘理郡山元町の普門寺に到着し、普門寺の横に位置する骨塚(ご遺骨を供養した砂山)で黙祷をしたのち、追悼式典の準備やフィールドワークに分かれて活動しました。

 作業終了後に普門寺に戻り、普門寺住職の坂野文俊さんから挨拶いただきました。
 また、東日本大震災の津波で亡くなられた、旧常磐山元自動車学校の教習生の遺族の寺島さんから当時の状況についてのお話をしていただきました。

 夕食後、現地の方やボランティアで山元町を訪れている方々と交流会を行いました。ここで現地の方から、「自分の命を守るために何をすべきなのか常に考えてほしい」と教えていただきました。

 活動2日目は、普門寺での竹灯篭や、絵灯篭の作成、「みんなの図書館」という簡易図書館での竹灯籠の設置作業、山元町沿岸部中浜地区に位置する「千年塔」でのたけあかりの設置など、各現場に分かれて作業をさせていただきました。

 昼食後、浄正寺の住職である髙橋賢明さんより震災当時の状況や避難所運営についての講演をしていただきました。いつ起こるかわからに災害に対して、日頃からの対策が必要であると学び、防災への意識を高めることができました。

 午後には、学生によるフィールドワークを実施しました。旧山下駅やIVUSAファーム(IVUSA学生でつくった畑)新山下駅及び山元町防災拠点・山下地域交流センターなどを訪れ、改めて震災や復興について考えるきっかけになりました。

 夕食後、シンガーソングライターである森加奈恵さんの歌を聞かせていただきました。震災から7年目の3月11日を迎えるため、気を引き締めました。

 活動3日目は、午前8時30分より普門寺、淨正寺、千年塔、旧山下駅で式典準備を行いました。普門寺では、被災された方、遺族の方をお迎えするため真心をこめて清掃をしました。

 14時30分より普門寺での追悼式典に参加させていただき、14時46分には黙祷し、全員が焼香をさせていただきました。追悼式は約2時間あり、現地の方約20名が参列されました。

 普門寺での追悼式典終了後には、千年塔、みんなの図書館、旧山下駅前の3箇所での追悼セレモニーに参加させていただきました。

 活動4日目は、追悼セレモニーの片付けや、海岸沿いの松林の植え付けと補植、側溝の清掃を行いました。午後からは、海岸沿いの松林の整備を行いました。
 これは、東日本大震災の影響で被害を受けた松林を再生させるため始まった活動で、実際に自分たちの手で松を植え、未来に繋げる活動であると実感することができました。

 その後、閉会セレモニーを海岸にて行いました。防潮堤超え浜に降りたのは今年が初めてでした。今回の活動から感じたことや、今後どのように行動していきたいのか宣言する場面もありました。一人ひとりが震災や復興について考え、風化させない決意を改めて固めました。

 普門寺住職である坂野文俊さんからは、「今回の活動でIVUSAのみなさんは、現地の人たちとの関係性を沢山つくってくれた。とても感謝しています」とお言葉を頂きました。

 最終日は、普門寺にて解団式を行いました。活動のリーダーである石森翔(国士舘大学4年)から、「この経験を周りの人たちに伝えて、山元町の復興を考えるとともに、自分たちも防災意識を持ってこれからの未来に繋げてほしい」と挨拶があり、学生一人ひとりが今後自分にできることを行う決意を固めました。

 解団式後、宿泊した場所の清掃をしました。骨塚で祈りを捧げ、バスに乗り込み解散しました。

 活動を通して、自分の目で見て感じたことや、聞いて学ぶことが多くありました。そのことを周囲の人に伝え、今後も震災や復興について考え続けていきます。(立命館大学3年 高橋和暉)