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南インド災害復興支援活動

 2010年2月24日から3月10日の15日間、IVUSA学生41名で南インド災害復興支援活動が行われました。

 現在のインドは、中国に続く世界第2位の人口をもつ大国となりつつあります。また近年は目覚ましい経済発展を遂げ、今後世界経済に大きな影響を与える国へとなりつつあります。しかし、インドには一日一ドル以下で生活する人は3億人以上いると言われ、また未だ根強く残るカースト制度などインドにはなお多くの問題が残っています。

 昨年2009年9月30日から10月4日の5日間、インド南部のカルナタカ州とアンドラ・パラデシュ州において「数十年に一度」と言われる集中豪雨による洪水が発生しました。その被害はクリシュナ川において過去百年最大といわれるもので、二日間の降雨量は60センチ、約400キロメートルにわたる被害を受けました。またカルナタカ州とアンドラ・パラデシュ州において家屋を失った人は約250万人と言われています。低所得層や低カースト層に対しての復興活動が今も進んでいません。

 今回南インド災害復興支援活動として訪れた場所はカルナタカ州ライチュール県クルアクルダ村です。デリーから飛行機でムンバイに行き、そこから列車を12時間ほど乗り、ライチュールに着きます。クルアクルダ村は時がゆっくりと流れるような小さくとてものどかな村です。



作業中の様子。

 作業は主に家の土台作りです。家の礎となる土を入れる、外壁や屋根となるブロックやレンガの積み下ろし、セメントとなるメタルという石の袋詰め、外壁強化のための水かけなどが主な作業内容でした。
 作業は連日快晴が続き、日中は35度以上にもなるという体力的にも大変厳しい環境でしたが、「この家を待っている人々がいる」というその思いで、慣れないながらも暑さの中みんなで汗を流しました。暑い中での作業の合間には子どもたちとの会話や、現地の方々の優しさ、笑顔に私たちは多くの元気をもらいました。

 作業7日目にはIVUSAが現地の人々をもてなす交流会が行われました。交流会には約500名と多くに方が訪れ、私たちが建てた家に移住する予定である村の方々も来てくれました。交流会はIVUSAがよさこいソーランのダンスを披露すると手拍子が聞こえてきて空手などを披露すると子どもたちは大喜び!そして子どもたちとのゲームはIVUSAの学生も汗をかきながら大変盛り上がりました。

交流会にてよさこいを披露。

 作業の最終日はみんな一分一秒を惜しみながら作業へ全力を注ぎました。そして作業終了時、作業現場から多くの歓声が湧きあがりました。終わった後のみんなの顔は、笑顔や涙、達成感でいっぱい。そんなみんなの顔をインドの大きな夕日がきらきらと照らしていました。

 この15日間で私たちがしたことは、大変ささいなことかもしれません。しかし、家を失い、必要としている人たちがいる、そんな人たちのために何か少しでも協力をしたい。そのような想いを持ちながら参加した南インド災害復興支援活動。私たちの想いが、少しでも現地の方々に元気や勇気を感じてもらえればと思います。現地の方々の優しさや笑顔に作業中何度も助けてもらったように。

 かけがえのない15日間となった南インド災害復興支援活動。多くの方々の多大なるご協力により、無事終えることが出来ました。本当にどうもありがとうございました。(成蹊大学2年 田中 佳)


建設した住宅上で。


【プロジェクト・リーダーより】
 インドは、首都のデリーやムンバイでは、まるで日本と同じように高層ビルが立ち並び、交通が激しく発展が著しいものとなっています。私たちが作業現場として行った村はそんなインドの都市の様子とは異なり、のどかな小さな村でした。

 作業は40℃を超える炎天下の中でブロック積みや砂入れなど体力の使う作業が多くありました。作業の合間に私たちが建設している家に住む人たちの村に行きました。
 彼らは私たちを温かく迎えてくれました。この村でもらったパワーは作業の支えになり、大きな原動力となりました。
 過酷な条件の中、疲労や熱中症により体調が悪くなり作業が出られない人が多く出ました。そんな時現地の人たちの笑顔や、心の温まる挨拶、大自然により元気づけられ作業をしました。

 私たち41人は単なる学生であり、何のプロでもありません。だからたいしたことは出来ていないかもしれない。けれど、今回私たちの行ったことが少しでも復興の一歩となっていることを私は願いたいです。

 インドが発展してきている裏側には、今でも貧困問題やカースト制の問題など様々な問題を抱えています。きっと日本は今後何らかの形でインドという国に関わりを持つと思います。
 近い将来、今回の活動に参加した学生たちの中にはインドがビジネスパートナーになる人がいるもしれません。私も含め全員がこの活動を通して吸収できたことをインドの問題や様々な社会問題などに繋げて、ぶつけていきたいと思います。そんなひとりひとりの力がいつか大きな力になることを期待しています。

 最後になりますが、今後のライチュールの発展と災害に見舞われた方々のご冥福お祈りいたします。(日本大学4年(活動時) 三野 絵理子)


【参加大学】
大妻女子大学、学習院大学、国士舘大学、成蹊大学、聖心女子大学、拓殖大学、中央大学、東洋大学、日本大学、日本女子大学、法政大学、立命館大学 (50音順)

【協賛企業】
ショーワグローブ株式会社

【協力】
NPO法人国際チャリティ協会アムリタハート