NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



沖縄県戦没者遺骨収集活動2019

 2019年2月19日から25日にかけて、沖縄県にて遺骨収集活動が実施され、全国の学生135名、沖縄県内の学生12名、事務局員2名の計149名が参加しました。

 平和関連施設見学や遺骨収集活動を通じて、戦争経験のない学生が戦没者やご遺族のために、過去から戦争の悲惨さを学び、今の沖縄を見て感じることで、全力で自分らしく生きることについて考え、そして次代に伝えていくことを目的として活動しました。

 那覇空港に関西・関東の学生は集合後、宿泊施設で結団式をしました。
 そこでは、骨格概要を中心とした、活動で必要な知識が身に付いているかどうかのテストを実施しました。また、共に活動をする沖縄県内の学生の紹介もありました。

 平和関連施設見学で、糸数アブチラガマ、ひめゆりの塔、旧海軍司令部壕を巡りました。
 学生たちは、真剣な眼差しで実際にガマや壕で、当時の状況を想像しながらも、感じたこと、学んだことを忘れぬようノートに書き記していました。

 午後には、実際に遺骨収集をする場所へ行き、その場所のこと、作業の方法などの研修をしました。 
 宿泊施設に戻り、戦中にその場所付近に住んでいた仲西冨士子さんのお話を聞きました。実際に戦争を経験された方の言葉にはとても重みがあり、終始笑顔でお話される冨士子さんの「みんなが幸せに元気に過ごしてくれたら、それだけでいい」という言葉が印象的に残っている学生が多くいました。


 
 活動3日目から5日目にかけて、活動前の勉強会や資料館見学で感じたこと考えたことを胸に学生たちは遺骨収集活動に入りました。

 初めは、壕の周りの整備を中心にご遺骨や遺留品の捜索が行われました。当時使われていたと思われる生活用品が出てきて、学生たちは、一つひとつに想いを馳せながら真摯に取り組んでいる様子でした。

 雨が降りしきる悪天候により、作業が中止になる日もありましたが、今できることを精一杯やろうという表情で遺骨収集に取り組んでいました。

 結果、そこで亡くなられたと思われる3柱のご遺骨をお迎えすることができました。学生は「遺骨収集の活動は続けていくことが大切。遺骨収集をやったことの意味を終わった後に改めて考えていきたい」と語り、3日間の遺骨収集活動は終了しました。

 活動6日目には平和祈念公園にて追悼式が行われました。追悼の意として、「70年以上経過した今でも多くの方々がお眠りになられていることを重く受け止め、私たち若い世代が想いを伝えていき、皆様をお迎えに上がること誓います」と言葉と共に、学生一人ひとりが静かに祈りを捧げました。

 解団式では、未来を生きる大切な人に向けた手紙を書きました。
 最後に活動のリーダーである浦野真凪(立命館大学4年)から、「この活動を来年、再来年と繋げてほしい。みんなと一緒にここまで来れたことを誇りに思う」という挨拶で締めくくられました。

 7日間の活動で、学生たちは過去の沖縄、戦争へと向き合い、戦没者の方々やご遺族の方々と真摯に向き合ってきました。そして、私たちが生きる現在を考え、未来に伝えていく役目があります。それぞれが感じたことや考えたことを忘れずにこれからに繋げていきます。(立命館大学4年 中山 桜子)

【プロジェクトマネージャーより】
 戦後74年が経ち、ご遺骨の風化やご遺族の高齢化など様々な問題があります。また戦争はなくとも、混沌とした現代社会ではより複雑な様相を見せています。

 その中でこの活動を通し先人に真摯に向き合い、私たちが今ここに”生きている”という事実に対し、彼らが私たちに託した未来を後悔なく全力で生き抜く、そんな若者でありたいと考え、これを次に伝え繋げていく所存です。(立命館大学4年 浦野 真凪)