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三重県熊野市減災チャレンジキャンプ

 8月9日から11日に三重県熊野市にて、減災チャレンジキャンプを行いました。NPO法人あそぼらいつのご協力の下、学生26名と熊野市、御浜町の子どもたち20名が参加しました。郷土愛を高めることで自ら備えることの大事さを学ぶとともに、災害が起きた時に 自分の身を守れるようになることを目的に、キャンプ生活をしながら減災について学び合いました。

 まず、子どもたちが普段生活する地域の良さや危険箇所の発見を目的に、ハザードマップを利用し、グループごとに街歩きをしました。初めは緊張していた子どもたちも次第に話しかけてくれるようになり、おすすめの場所や近道を教えてくれました。

 公園の防災資機材倉庫や道端の綺麗な花など今回気づいた発見は、街歩き後にまとめて発表しました。子どもたちから、「公園がある」「のびのびできる」など自分の地元の好きなところが多く挙げられたのが印象的でした。

 夜には手持ち花火をし、元気いっぱいな子どもたちと一緒に1日目の夜を過ごしました。

 2日目は、防災をテーマにしたグループワークやゲームを行いました。
 災害時を想定した障害物競走では、土嚢のバケツリレーや、火事の際に煙に巻かれた場面を想定したダンボールキャタピラーなどを取り入れ競争しました。大きな声で応援し、仲間と協力することや周りをよく見ることなど災害時に大事なことを遊びながら学ぶことができました。

 また、災害時の食事を中心とした生活や、避難生活を想定した上での非常用持ち出し袋の中身を考えるグループワークでは、学生がサポートしながら様々な案を出すことができました。
 その後は川で水遊びをし、暑さで疲れた体を癒しました。

 この日の夕食は、火起こし、野草摘み、餃子作りに分かれ全員で協力して作りました。火起こしグループはすぐに火をつけることができ、空き缶を使ってお米を炊くことができました。野草摘みグループが摘んだヨモギは天ぷらにし、自分たちが作ったご飯を嬉しそうに食べていました。
 この日はキャンプファイヤーをし、火を囲みながら活動を振り返りました。学生からの「来てくれてありがとう。明日も楽しもう」という言葉で心を一つにしました。

 翌日の活動最終日には『防災ドッジボール』と題し、立ち入り禁止ゾーンや「地震だ!」の掛け声で全員しゃがむなどのルールを取り入れ注意力を高めながら遊びました。子ども達は投げるのもよけるのも上手く、大変盛り上がりました。
 その後、防災に関する講演を熊野市役所防災対策推進課の仲森圭司様からしていただきました。災害の被害の大きさや自分の身の守り方を教えていただき、家族と話し合い情報を知る努力をする大切さを学ぶことができました。より多くの人が、災害対策を進めるきっかけとなりました。

 そして解団式をし、3日間のキャンプを終えた子どもたちは一回り成長した様子で帰っていきました。

 その後、代表メンバーが三重県立木本高校に行き高校生向けの防災ワークショップを実施しました。持ち出し袋の案出しや、どうしたら災害から身を守れるか話し合ってもらいました。高校生らしい活発な話し合いとなり、減災を身近に感じられる機会にすることができました。

 子どもたちのエネルギーをもらいながら、学生も同じ目線に立って減災を考えられた活動となりました。この活動で感じた郷土愛を忘れず、災害への準備を進めていってほしいと思います。
 今回の活動に関わってくださった皆様、誠にありがとうございました。(中央大学4年 北沢 晴美)

【プロジェクトマネージャーより】
 私は「郷土愛」が「この街やこの街に住む人を守りたい」という想いに繋がり、減災を考える一歩になると考えています。

 今回の活動は、子どもたちに熊野の魅力を再発見してほしい、という思いで行いました。街歩きの後、「熊野の好きなところ」を挙げていく子どもたちのちょっと誇らしげな顔がうれしく、頼もしくも思えました。

 またこの活動では対等感を大事にし、双方向的な「学び合い」の場を作りました。テント張りや火おこしは、普段からキャンプ経験豊富な子どもたちが、私たちにいきいきと教えてくれました。
 NPO法人あそぼらいつ様、子どもたちと近い距離で活動する機会を与えてくださり、また私たちの「やりたい」を実現させてくださり、ありがとうございました。(同志社女子大学3年 南 和音)

※子どもたちの顔写真につきましては許可を得て掲載しております。