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滋賀県守山市で浮産卵床オオバナミズキンバイ除去活動を行いました

 12月4日に滋賀県守山市赤野井湾の浮産卵床にて、玉津小津漁業協同組合の漁師11名、滋賀県庁自然環境保全課1名、IVUSAの学生17名、卒業生1名、合計30名で、特定外来生物オオバナミズキンバイ(以下オオバナ)の除去活動を実施しました。

 今回の活動場所である赤野井湾の浮産卵床は、琵琶湖に生息している魚の産卵場所になっています。
 しかし、その産卵場所にオオバナが繁殖し、魚の産卵場所が奪われてしまっています。そこで、今回は浮産卵床に生息するオオバナの完全除去を目的に活動しました。

 赤野井漁港で開会式が開催され、玉津小津漁業協同組合の田中組合長から、船の上で行うオオバナ除去活動の作業手順の説明をしていただきました。

 午前8時30分より漁師1名、学生2名がチームとなり、7艘に乗り込み、活動場所である沖合の浮産卵所へと向かいました。

 現場に到着してみるとヨシが生息しているはずの浮産卵床には、オオバナ、ナガエツルノゲイトウなどの外来水草が一面に繁殖していました。
 船上であるため不安定な環境下でしたが、複数人で協力しながら、取り残しがないように一本一本丁寧に根こそぎ除去しました。

 船上に回収した外来水草は、赤野井漁港に運搬し、漁港に引き上げました。

 引き上げたオオバナは、水を含んでおり、焼却処理施設の炉の温度を下げてしまいます。そのため天日干しをして乾燥させる必要があります。
 天日干し作業では、学生と漁師さんが協力し、引き上げたオオバナを薄く広げました。

 徐々に風が強くなってきたため、安全第一で午前10時30分頃に作業を切り上げました。

 約2時間の活動で、1,500kgのオオバナを除去することができました。

 閉会式では、玉津小津漁業協同組合の田中組合長から、「今日は寒い中ありがとうございました。12年前には大繁殖していたところも綺麗になりました。今日ご覧のように沖合の浮産卵床、ヨシ等にはまだ少し残っている状況です。IVUSAと活動をはじめて9年が経ち、若い力も頼りにしていきたいと思っています。また今後ともよろしくお願いします」とお礼の言葉をいただきました。

 また滋賀県庁自然環境保全課の中井さんから、「今回の沖合の浮産卵床のオオバナは、これから風や波打ちが強くなる時期にあり、早く取って拡散を防止しなければならないところでした。今回沢山取っていただいて有難うございます」というご挨拶をいただきました。

 また今回のIVUSAのプロジェクトマネージャーである佐藤華蓮(関西大学3年)からは、「漁師さんたちと一緒に作業して、直接コミュニケーションをとることで、活動の見方も変わってくると思います。今回の経験を糧に色んなことに挑戦して欲しい」との挨拶がありました。

 活動終了後、IVUSAの学生間でふり返りを行いました。1年生からは、「今回の活動が2回目ですごく緊張していました。ですが、先輩方や漁師さんとコミュニケーションをとりながら活動でき、楽しかったです。また活動に参加したいと思いました!」という感想がありました。

 最後になりますが、今回の活動実施にあたり協力してくださった玉津小津漁業協同組合、滋賀県自然環境保全課の皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。(大和大学2年 田中 祐衣)

【プロジェクトマネージャーより】
 私は活動に参加する学生に「漁師さんとこんなに身近に活動させてもらって話せる機会はとてもラッキーで、これまでどんな風にオオバナに困っていたのか、琵琶湖の魅力とか色んな話を漁師さんと話そう」と伝えていて、自分自身も心掛けていました。

 私は下見の時から漁師さんとも沢山お話しましたが、その中でも印象に残っているお話が2つありました。
 
 一つ目は「オオバナをただひたすら抜くのではなく、この赤野井湾の背景を知った上で活動に取り組んでほしい。魚が産卵するのは綺麗な場所だけど、赤野井湾ではずっと前からオオバナ以外にもたくさんの水質問題、外来魚、外来植物とか色んな問題があって、今までずっと悩まされながらも産卵場所を守るために、色んな環境問題から琵琶湖も守り続けてきた」というお話で、そんな中で漁師という本業を守るためには、やらなければいけないと向き合っている姿に心を打たれ、力になりたいと思いました。
 
 そして二つ目は、魚がまた産卵床に戻ってきてもらえるように願って除去活動をしている時の漁師さんの言葉で、「魚が戻ってきたとしても、最近の人に湖魚を食べてもらえないのが現状だ。もっと多くの人に湖魚を食べて欲しい」とのお話でした。

 このような漁師さんの想いも、もっと多くのIVUSAの学生の皆さんに直で話を聞いて欲しいと強く思いました。

 IVUSA内の勉強会で聞く話だけでなく、普段現場で活躍されている方と活動をできるという貴重な体験をこれからも大事にしていこうと思います。

 また、今回の活動には夏の大規模なオオバナ除去活動に来てくれていた学生が沢山いてとても嬉しかったです。是非色んな学生の皆さんにオオバナの活動の魅力を、琵琶湖を、滋賀県を、知ってもらえたら嬉しいです。

 今回この活動に関わってくださった、玉津小津漁業協同組合、滋賀県庁の方々にも御礼申し上げます。(関西大学3年 佐藤 華蓮)