NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



第14回九十九里浜全域清掃大作戦

 2015年9月3日から5日まで第14回九十九里浜全域清掃大作戦が行われました。九十九里浜海岸は、千葉県房総半島の東側に位置し、県立自然公園にも指定されています。しかし、観光客の残したゴミや流入する河川から流れ着くゴミによって環境汚染が深刻な社会問題になっています。
 3日8時、前日から移動していた関西本隊と関東本隊が大井埠頭公園にて合流し結団式を行いました。結団式後は、中隊ごとに分かれてミーティングを行い、9時に活動場所へ向かうバスに乗って出発しました。今活動では、①完全清掃、②1,000人での災害救援にむけた組織構築という2つの目的を掲げています。

 1日目は、3つのルートに分かれて活動を始めました。天気予報は雨と予想されていましたが天候が崩れることなく1日を終えることが出来ました。それぞれのルートでは、中隊長を先頭に海岸を歩いてゴミを拾いました。
 慣れない砂浜の上を歩くことで始めは辛そうな顔を見せていた隊員もいましたが、数多くのゴミを拾い、班を超えてコミュニケーションをとったり、掛け声で士気をあげていったりする中で、辛そうな顔よりも真剣な表情や笑顔が出てきました。
 活動後は、拾ったゴミの分別をして宿舎に戻りました。宿舎に戻り夕食をとった後は、班ごとにミーティングを行い、1日の活動のふり返りと反省、2日目に向けて反省をどういかすかを話し合いました。班ごとのミーティングを行った後、中隊ごとに懇親会を行い、交流をしました。

SONY DSC

 2日目は、2つのルートに分かれて活動を始めました。前日の夜に降った雨の影響で、ルートの変更があり、歩く距離が長くなるところもありました。しかし、隊員一人ひとりが完全清掃という目的と別ルートから向かっている仲間と合流を達成するために、モチベーションを高く保ったまま活動中の雰囲気も良く、掛け声をかけ合い、互いを励ましあう様子も見られました。
 活動中、砂浜近くの道路でお話しした地元の方は、月に1回砂浜を清掃しているそうです。私たちがゴミを拾いながら啓発している「拾う心より捨てない心」が地元の方に根付いていることを感じました。
 19時30分頃、2ルートが合流しました。日も沈み辺りは暗いなか、向かい側からうっすらと見えるヘッドライトの明かりがだんだんと近づき、仲間と一緒に合流できたときの達成感を味わいました。2日間で拾ったゴミの総量は702袋、約2.2トンです。

SONY DSC

 3日目は、騎馬戦と綱引きを行いました。これは、今活動のリーダーでもあり学生代表でもある池田慶輔が公約に掲げた「1,000人の災害救援に向けた組織構築」に向けた企画です。この企画は4年生を中心に、闘争心とチームワークを試されました。
 中隊ごとに戦術を練って、戦いました。前日は、66キロメートルを歩いて疲労がたまっていると考えられていました。しかし、その様子は全く感じられないほど盛り上がりを見せました。普段は活動を裏から支えている隊員も参加して、活動に参加した全員がグラウンドで熱い戦いをしました。(拓殖大学3年 小野 優実)

SONY DSC

【プロジェクトリーダーより】
 九十九里浜全域清掃大作戦は、今年で14回目を迎えました。これまで無事に活動を実施することかができ たのは、関係市町村様や地元住民の皆様、ご協力いただいた企業をはじめとする、皆様のご支援、ご協力をいただいたからこそです。心より御礼申し上げます。
 さて、今年は清掃活動を通して九十九里地域の現状、また日本の浜と向き合うということに特に力をいれて活動してまいりました。本協会では歴史も長く、それぞれが九十九里浜の未来に対して動き出すという意味を込めて「前へ?自分がやらなきゃ、誰がやる?」というコンセプトのもと活動を始めました。

 活動の事前には九十九里浜の歴史、砂浜での問題、環境問題についてなどを考え、意識を高め当日を迎えました。
 活動初日、慣れない砂浜に足元を奪われ隊員一同、この活動の大変さを実感しました。また昨年からの砂浜の減少により迂回ルートを検討するなど、砂浜を清掃できないというもどかしさと九十九里浜の現実を目の当たりにする場面もありました。

 活動二日目前日の疲れを感じながらも、初日に感じたもどかしさを思い出し、目の前に広がるゴミを少しでも漏らさず取ろうと全員で団結し砂浜を歩きました。南北より二手に分かれていた隊も午後7時、暗がりの中、ヘッドライトの明かりを頼りに無事合流し、清掃完了しました。
 この時、活動に参加した学生はもちろん、多くの方の協力のもと活動ができていたのだと改めて実感しました。

 最後になりますが、昨年に引き続き、多くの皆様からのご支援ご協力をいただき、無事に活動を終えることができました。心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今後とも引き続き、変わらぬご支援、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。(日本大学4年 池田 慶輔)