NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



沖縄県戦没者遺骨収集活動2017

 「これからを担う学生が遺骨収集を中心とした沖縄県での活動を通して、戦争と平和への理解を深める」という目的を掲げて実施した今回の活動は、学生一人ひとりが戦争と平和について向き合う貴重な経験となりました。

 今回は、2017年2月9日から14日と16日から21日の計2回、のべ173名が沖縄県南部にて遺骨収集活動や平和学習をしました。
 この活動は、ある学生の「戦死したおじいさんの遺骨を日本に持ち帰りたい」という想いから開始し、大規模な活動としては今回が5回目でした。

 事前から勉強会や自主学習を通して、悲惨な戦争の歴史、遺骨収集時の注意事項など、ご遺骨をお迎えする際に必要となる知識を学び、活動当日を迎えました。

1702okinawa_1

 1日目、那覇空港に到着し、結団式を開催しました。

 2日目は、平和関連施設を2つのコースに分かれ、対馬丸記念館や沖縄国際平和研究所、嘉数高台公園、ひめゆりの塔、平和祈念公園などを訪れました。
 資料や本物の壕を目の当たりにし、沈痛な表情を浮かべている学生もいました。

1702okinawa_2

 その後、戦争体験の語り部である大嶺初子さんのお話を聞きました。大嶺初子さんは「戦争は人間を動物にする。人を殺してでも自分は生きねばならない。今日では知恵も勇気も目標もあるのだから一生懸命生きてほしい。そして戦争をなくしたい」と力強くお話されていました。

1702okinawa_3

 3日目から5日目まで遺骨収集をしました。事前の勉強会や自主学習、2日目の平和学習で学んだこと、感じたことを意識しながら活動に挑みました。活動現場は主に足場の悪い森林の中や砂埃が舞う暗闇の壕でした。
 学生からは「ガマの中は狭くて暗くて一人で入るにはとても心細い。でも、当時はそんなこと言っていられないと考えると、とても感慨深い」という声があり、当時の方の気持ちを考えながら活動できました。
 そして、5日目には、当時の方のものと思われるご遺骨をお迎えしました。

1702okinawa_4

1702okinawa_5

1702okinawa_6

1702okinawa_7

 6日間という長丁場であるため、気分転換として、飯盒炊飯やレクリエーションをしました。そこで、仲を深め、活動をより充実したものにしました。
 また、今の沖縄を知るために沖縄県北谷町のアメリカン・ビレッジを訪れました。朝食時に「あの日のご飯」という、戦時中食べられていた白ご飯とすいとんを頂きました。
 今、何不自由なく生活できることに改めて感謝しました。

1702okinawa_8

1702okinawa_9

1702okinawa_10

1702okinawa_11

 戦争について学び、肌で感じ、そして平和について深く考えてきました。活動が終わっても、考え、発信していくことが大切になっていきます。これからも一人ひとりが戦争、平和について模索し続けます。(立命館大学2年 中山 桜子)

1702okinawa_12

1702okinawa_13

1702okinawa_14

【活動参加学生より】
 「平和」とても大事なものであり、不確かなものだと思います。この活動を通して、自分なりに考えを深め、自分なりに言葉にしてきたつもりですが、答えにたどり着くにはまだまだ考え足りません。この活動を機に、もっともっと考えて、自分の考える平和を実現させていきたいと思います。(東洋大学1年 奥谷 なな)

【プロジェクトマネージャーより】
 大きな事故もなく無事に、「沖縄県戦没者遺骨収集活動2017」という活動を実現できたこと、公益財団法人沖縄県平和祈念財団戦没者遺骨収集情報センターの方をはじめ関わった全ての方々に、心より感謝いたします。
 遺骨収集の進展に、隊員の今後の人生に、延いては社会に、少しでもこの活動が寄与できたのであれば幸いです。
「決して終わることのない事後のはじまり」
 引き続きよろしくお願いいたします。(立命館大学 4年 戸田 一輝)

1702okinawa_15

【協賛】
興研 株式会社/ジェントス 株式会社/福徳産業 株式会社/浅香工業 株式会社(敬称略・順不同)
ご支援いただき誠にありがとうございました。