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第13次中国緑化活動

 9月2日から11日にかけて、「第13次中国緑化活動」を実施し、学生28名と事務局員1名が参加しました。
 IVUSAでは2004年から「東アジアの安定と平和のため、国境を越えた環境問題に取り組み、日中の青年たちが汗をかき寝食を共にしながら真の友情を育み朋友となることで、民間による平和外交使節団としての責務を果たす」という目的のもと、中国にて過去12回の緑化活動に取り組んできました。

 今回は、日中友好の架け橋をつくるため、内モンゴル自治区のダラト旗にてその地の青年たちとともに緑化活動を行い、さらに北京の大学生との交流会を実施しました。

 中国・北京に到着後、寝台列車で移動し、内モンゴル自治区ダラト旗で活動が始まりました。ダラト旗の青年らと合流し、一緒にレクリエーションをしたりダラトの街を案内してもらったりと、初対面ながらも互いに積極的に交流し仲を深めました。
 夕方からの交流会では、日中それぞれがパフォーマンスを披露し、楽しいひと時を共有しました。

 活動3日目から5日目は、植林地での作業が行われました。地面に穴を掘りポプラの苗木を植えていきました。ダラト旗の青年らと言葉は通じなくとも、ジェスチャーや英語、簡単な掛け声を使って交流を深めながら作業を進めました。
 日中の学生が協力し合い作業した結果、計527本ものポプラの苗木を植えることができました。

 また、植林地ではポプラの植樹だけでなく、作業道を整備しました。今後も植林地の整備を安全に行えるよう、きれいなレンガを使い、道を整えていきました。暑い中での作業が続きましたが、ともに汗を流し助け合いながら作業した日中の学生らは、最後には互いに肩を寄せ抱き合いながらレンガ道の完成を喜びました。

 作業後にダラト旗の青年は、「ダラト旗に来てくれてありがとう。僕たちの友情はこの先もずっと続く、また日本にも遊びに行くよ」と別れの言葉を残してくれました。文字通り、日中の青年が「朋友(=中国語で親友)」になることができた瞬間でした。

 活動6日目には、河套大学の学生や地元の中高生と体育センターにて交流しました。国や文化は違いますが、同じ学生同士、すぐに打ち解け楽しいひと時を過ごすことができました。

 ダラト旗で過ごす最後の日は、恩格貝という地区の砂漠館に訪れ、中国を中心とした世界中の砂漠についての展示を見学しました。世界規模の環境問題である砂漠化の現状を改めて一人ひとりが確認しました。

 活動8日目からは、北京での活動となりました。まず、抗日戦争記念館を見学しました。1930年から40年代に勃発した抗日戦争の歴史を多くの資料や写真を展示して記録しており、中国から見た戦争というものを知ることで、学生らは日中関係や戦争について様々に考えを巡らせました。

 活動9日目には、中央民族大学の日本語学科の学生39名と交流しました。ダラト旗の青年らとは違い日本語を話せる学生が多く、交流のメインイベントとして実施したワークショップでは、互いの政治や文化をふまえながらより深い話をすることができました。

 活動最終日には、解団式を行いました。この活動のリーダーである髙野将史(関西大学4年)から「この活動ではまだ日中友好の苗を植えた段階。今後もその苗に水を与え育て続けてください」と隊員にむけ言葉がありました。

 この10日間、隊員一人ひとりが日中平和外交使節団としてなにができるのか考え行動しました。今回つくることができた日中友好の架け橋をこれからも守り続け、さらに新たな日中友好の苗が育っていくことを願います。 (立命館大学3年 岡田 夏実)

【プロジェクトマネージャーより】
 今回で3度目の私は日中友好のために今までの先輩方の想いと11、12次隊で感じた私自身の日中友好の想いを背負い13人目のプロジェクトマネージャーとして中国に向かいました。今回の活動で、内モンゴルの土地に、中国に私たちが植えた日中友好の苗は、目にはみえないけれどしっかりと根付いていると確信しています。

この活動はこれからも続いていきます。次を担う後輩たちが、これまで植えてきた日中友好の苗に水を与え続けてくれることを願っています。

最後になりましたが、今回の活動を支えていただいた、日中緑化交流基金、外務省、中国青年国際人材交流中心、協賛をいただいた企業の皆様、また、関係者の皆様へ、この場を借りて感謝申し上げます。(関西大学4年 髙野 将史)