社会を変えたい学生の夢を
一緒に叶えませんか?
校長先生が、悲しそうに呟きました。
7次隊では、老朽化により壊されてしまった小学校の建て直しを行います。
(小学校が取り壊され、更地になっている)
IVUSAでは今までに小学校4校、中学校1校、図書館1棟を建設してきました。今回は来年、プノンペンから約5時間のミヤック村というところで7校目の小学校建設を行うことを目指しています。
「大学生が、カンボジアで学校建設をする。」
もう、この活動に真新しさはありません。ハード面よりソフト面を支援するべきだと多くの人は言います。校舎を建てるだけ建てて使われていない、というニーズとの不一致が疑問視される活動もあります。
しかし、私たちの目の前には取り壊された学校の跡地がありました。日本人が来ると聞き、とてつもない人数の子どもたちが集まってくれました。先生たちが、必死で学校の現状を訴えかけていました。
そして、建設活動のコーディネートだけではなく建てた後の視察も定期的に行ってくれる建設会社、KHJさんがいます。KHJの社長であるフン・シンホンさん(後述)は、今年の夏の活動で忙しい中私たちの活動に同行し、カンボジアへの想いや現状をお話してくださいました。
学校建設を待っているミヤック村の人々。IVUSAとKHJの信頼関係。シンホンさんの想い。
カンボジアには様々な支援が必要ですが、 私たちが今やるべき支援は、ミヤック小学校の建設だと思いました。
(ミヤック小学校の跡地で子どもたちと)
1975年から樹立されたポル・ポト政権による大量虐殺により、知識人や子どもたちをはじめ多くの人が無差別に殺されました。当時800万人余りだったカンボジアの人口の3分の1の人が亡くなったと言われています。
この歴史は今のカンボジアの教育に大きく影響しており、初等教育の就学率は93%ではあるものの、その中で卒業できるのは半分程度です。多くの小学校の午前と午後の二部制、または三部制の授業形態であり、近年5年間は約15%ずつの人口増加も伴い、教室数の不足と校舎の老朽化が併せて進んでいます。
IVUSAのカンボジアでの活動の始まりは、現在はKHJの社長であるシンホンさんが、母国を変えたい!という想いを持って国士舘大学に留学をしていた学生時代に遡ります。そこで水沼桂子さんという国士舘大学OGと出会い、シンホンさんの熱意に共感した水沼さんが自身も所属していたIVUSAに呼びかけ、2008年からカンボジア小学校建設活動へと繋がったのです。
ここから継続的にカンボジアを訪れ、マンパワーを活かして学校建設活動を行い、小学校で授業や運動会の開催など様々な教育支援を行ってきました。
当時国士舘大学に留学していたシンホンさんは母国を変えたい!という想いを持っていました。その熱意に共感した国士舘大学OGの水沼桂子さんが、自身も所属していたIVUSAに呼びかけ、2008年からカンボジア小学校建設活動が始まりました。
2014年までに4校の小学校と1校の中学校、1件の図書館を建てました。
2015年度に7つ目の教育施設の建設着工へ向けて、建設資金の500万円を集めています。
(水沼桂子さんとフン・シンホンさん)
活動7年目である今年の夏は、学校建設は行いませんでした。「カンボジア=学校が足りない、IVUSAが行う活動は学校建設」という概念から離れ、一度立ち止まって今まで支援してきた学校の状況を知り、この先私たちはどう関わっていけるのか視野を広げて考えるためです。
そこで今回は「子ども教育支援活動」というプロジェクト名で今まで建設してきた学校を訪問し、子どもたちに向けて授業を行ったり、子どもたちだけでなく先生や親御さんにヒアリングを行ったりしました。どの学校も先生たちによってしっかりと運営され、子どもたちは私たちの授業に真剣なまなざしを向けてくれました。そして、今まで先輩方が建設してきた学校で生徒たちが元気に学んでいる姿に胸が熱くなりました。
(カンボジア学生、通訳さんと授業を行う様子)
1~6次隊で建設した全ての学校・図書館を訪問した後、前々回(2013年)から新校舎を建ててほしいと要請のあったミヤック小学校に足を運びました。建設資金の不足から建設は見送りになっていたのですが、老朽化が進んだため取り壊され、既に無くなっていました。冒頭の言葉にあるように、校長先生が子どもたちの安全のために苦渋の決断を下したのです。
(ミヤック小学校旧校舎の内部)
現在は全校生徒が1150人と大変多く教室数が足りないため、5,6年生のみが残りの2棟の校舎で授業を受け、1~4年生は離れた別の小学校に通っているという状況です。校長先生や役所の方々をはじめ先生や子どもたちから学校の必要性を訴えかけられ、ニーズ調査をしてくださったシンホンさんともお話をし、IVUSAで何とかして建設活動を行いたいと視察に行った学生全員が強く思いました。
7次隊では、小学校建設だけではなく子どもたちへ授業を行い、カンボジア学生と話し合いや企画を行うことにも力を入れたいと考えています。
▼子どもたちへの授業
今年の夏には衛生教育、職業を紹介する授業、染物体験、運動会、絵を描く企画など様々な授業や企画を行い、子どもたちに少しではありますが影響を与えることができたと思います。例えば、今年の夏に行った衛生教育の授業の終了後に、子どもたちが自主的にゴミを拾ってゴミ箱に捨てている姿が見られました。
今回の経験を活かし、先生や子どもたちの親を巻き込んで授業の効果がより長期的なものになるようにしたいと考えています。現地でインターンをしているIVUSAメンバーと連絡を取り合い、ニーズにあった授業内容になるように構想中です。
(衛生教育についての授業を受ける子どもたち)
▼カンボジア学生と
今年度の夏プロでは、カンボジア学生とミーティングをしたり一緒に授業の準備をしたり、カンボジア学生とコミュニケーションをとる時間がとても多くて楽しかった反面、もっと心を通わせたかった、お互いの国の未来について語り合いたかった、と悔しい気持ちも大きいです。この夏に出会ったカンボジア学生はもちろん、より多くのこれからカンボジアの未来を担う学生たちを巻き込むため、ミーティングをするだけでなく文化交流会やディスカッションの企画も行いたいと考えています。
(カンボジアの学生と授業を準備するためのミーティング)
今までも、多くの方たちの支援のもと活動を行ってきましたが、私たちの力だけでは、学校を建設することはできません。
皆さまのあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします。
日時:2015年度実施予定
場所:カンボジア王国コンポンチャム州ストントラン郡プレイコ区ミャック村
費用:約500万
協力団体:KHJ Construction Co. Ltd
カンボジアハード面で支援する日本のNGOやNPO等の支援団体の活動をコーディネートしでいる。カンボジアの貧困地域での学校建設支援を手始めに、日本の様々な団体と共に支援者の要望に沿って、様々な活動を行っている。カンボジア人スタッフと共に日本人スタッフが常にカンボジアに在中している。
◆◇今回幣団体が行う学校建設は、KHJスタッフの皆さんが何年も調査や先生へのヒアリングを重ね、これから増える子どもたちの数も踏まえて選定された学校です。