社会問題を構造的に学ぶことと、現場での活動・実践の両輪で
IVUSAが実施している山形県飛島や新潟県佐渡市での清掃活動で、現地との調整をしてくださっているNPO法人パートナーシップオフィス理事の金子博さんのお話です。
どこの地域も高齢化が深刻で、集落やボランティア団体も海ごみに対する対処が困難になってきています。そんな中で、多くの学生が来てくれることで地元の人が元気になっています。
また、山形県でも新潟県でも活動が多くのメディアに取り上げられましたが、県の内陸に住んでいる人から見れば、「自分たちが出したごみを拾ってもらっている」という言わば後ろめたい気持ちも出てくるでしょう。本来は自分たちが対処すべきものですから。
今、海ごみ問題に対しては県も予算を付けています。一般的に建設会社に回収処理を委託したらコストもかかりますし、それで終わってします。一方、地域の人たちを巻き込みながら清掃活動をすることは、参加者の環境学習や海ごみ問題の普及啓発にもつながります。
そして現場での活動だけでなく、海ごみ問題がどのように社会的な損失につながっているのかということや、できるかぎり石油資源の使用と廃棄物を減らす「循環型経済」の考え方など、社会の仕組みに関する理解を深めていっていただきたいです。
社会問題を構造的に学ぶことと現場での活動・実践の両方を体験することは、社会に出てから役に立つでしょう、
金子 博(かねこ ひろし) NPO法人パートナーシップオフィス理事 一般社団法人JEAN代表理事 |