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東京都利島活性化活動

 8月2日から8月9日まで利島活性化活動が行われました。

 利島は、東京都伊豆諸島の一つで、椿の生産量が全国1位と椿産業が盛んな島となっています。しかし椿農家の高齢化や後継者不足により、存続が危ぶまれています。そこでIVUSAでは昨年から農家さんのお手伝いとして椿畑の整備などの活動をさせていただいており、今年は8月2日から6日までの3次隊と8月5日から9日までの4次隊が活動を行いました(昨年1次隊・2次隊を実施しています)。3次隊にはIVUSA学生58名、事務局員1名、4次隊にはIVUSA学生55名、事務局1名が参加しました。
 
 2日の夜、竹芝港を出発した3次隊は、3日早朝に利島村に到着し、村の方々から歓迎を受けました。一年ぶりの再会に笑顔がこぼれる学生や、初めて離島に来て壮大な自然に圧倒される学生などそれぞれが様々な表情を見せ、これから始まる活動に期待を膨らませていました。
 宿舎に到着すると早速3日間お世話になる農家の方たちがお迎えに来てくださりそれぞれの現場に散っていきました。主な作業として「切っ払い」という作業を3日間行います。9月に落ちる椿の実を回収しやすくするために、椿の落ち葉をかき、直径2mほどの大きさの山を何箇所もつくり、かき集めた落ち葉に火をつけ燃やすという作業のことです。

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切っ払い

 各現場で作業をおこなった後、宿舎に戻り利島の方たちが用意してくださった歓迎交流会に参加しました。最後に、次の日のからの活動へ向けて班ごとにミーティングを行いました。

 4日の活動も前日と同様、切っ払いの作業をメインに一日活動を行います。午前中の作業中に突然の雨に見舞われましたが、午後には無事に晴れ再び各現場へと散っていきました。宿舎に戻り夕飯を挟んだ後、勉強会が開催されました。現地調整を担当してくださっている利島村農協職員の清水雄太さんから利島についてのお話を頂き、持ってきていただいた実際の椿油に触れることができました。

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清水さんのお話

 その後、班ごとに利島のビジネスプランを考えるプレゼン大会を行いました。清水さんから「明日からすぐにでもやりたいことがたくさんある」というお言葉を頂きとても充実した時間を過ごすことが出来ました。

 5日はいよいよ3次隊の作業最終日です。連日の作業と同じように切っ払いを行いました。一日かけて作業を行い、無事にすべての現場がニーズの100%完遂しました。その後各現場の農家さんのお宅で交流を行った後、宿舎に戻り最終日の予定を終了しました。3日間の作業を通して利島の伝統産業である椿油の精製行程の一部に携われたことで、学生たちはとても大きな達成感と満足感で笑顔が溢れていました。その頃、4次隊は利島に向け竹芝港を発ちました。

 6日の朝、4次隊は利島に到着し、清水雄太さんや先に活動を行っていた3次隊からの出迎えを受けました。全隊員で円陣を組んで3次隊からの想いを引き継いだ4次隊は活動への決意を新たにしました。

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円陣

 そして3次隊はミーティングを行い、利島を後にしました。4次隊は早速、それぞれの農家さんに畑に連れて行っていただき切っ払いの作業を開始しました。虫刺されや慣れない体勢による筋肉痛に苦戦しながらも、農家の方とコミュニケーションをとりながら楽しく作業を行うことができました。夜には交流会を行い、お世話になっている利島の方々や参加者同士で親睦を深めました。

 7日も同様の作業を行いました。お昼休憩の途中に、台風の影響で海が荒れて船が着かない可能性があるため、活動を1日早く切り上げることが伝えられました。残念で悔しい気持ちを感じつつ、作業するときは全力で作業をし、休憩中は農家の方とたくさんお話をし、やりたかったことを最大限にやることができたので、どの現場も後悔なく作業を終わらせることができました。

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最後の作業

 作業を終えると、学生は農家さんとの最後の交流の時間を楽しみました。利島との調整でお世話になった方々を含んでの交流会では、隊の成功を祝って乾杯しました。

 8日は早朝の船で帰ることになりました。朝早くにも関わらず、たくさんの農家さんがお見送りに来て下さり、別れを惜しむ声があちこちから聞こえました。最後に清水雄太さんから、「また利島に来てください、いや、帰ってきてください」とお言葉があり、椿油を使ったシャンプーとトリートメントのお土産まで頂きました。

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お別れ

 約11時間船に揺られ無事竹芝港に到着し利島活性化活動は終了しました。

 この活動に参加し、利島の椿農家の高齢化や後継者不足の深刻さを実感し危機感を覚えました。しかしまた同時に、完遂することのできた畑での作業や交流会などを通して、島の方ととてもいい関係を築くことができました。豊かな自然、景色も綺麗で美味しいものもたくさんある利島。そして素敵な島民の方がたくさんいらっしゃる利島の魅力を全隊員が感じたと思います。これからもそんな利島のために、利島の方たちのために何かしたい、純粋にまた利島に帰りたい、そう思える活動となりました。(東洋大学3年 若林 春香)