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京都府阿蘇海環境づくり活動

 8月28日から31日まで、京都府宮津市にある阿蘇海にて、5回目となるカキ殻回収活動が実施され、学生102名、事務局員1名の計103名が参加しました。

 阿蘇海は外海との水の交わりが少ない閉鎖性水域であるため、富栄養化により、カキが大量繁殖しています。堆積したカキ殻は悪臭や景観破壊、生態系への影響などの諸問題の根源となっています。今回の活動は、阿蘇海環境づくり協働会議との共催で、阿蘇海と宮津湾の海流が交わる場所に堆積したカキ殻25トンの撤去を目標に掲げ実施しました。

 開会式では、京都府丹後広域振興局の松崎健児さん、NPO法人丹後の自然を守る会の蒲田充弘さん、調理場と宿舎を提供してくださった吉野茶屋の平木志乃さんから挨拶を頂きました。いつもお世話になっている地元の方たちへの感謝を忘れずに活動に臨みました。

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 活動初日は学生に加え、京都府立海洋高校の生徒34名と京都府立宮津高校の生徒2名をはじめとする地元の皆様と回収作業を行いました。多くの方々のご協力のおかげで、非常に効率よくカキ殻を集めることができました。

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 また、NPO法人丹後の自然を守る会の理事長である蒲田充弘様が、環境学習会を開催してくださりました。この環境学習会では、海、山、川の環境やそれらの繋がり、自然と人々の営みがどう関わっているのかを学びました。

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 2日目の朝には、活動の共催者である、宮津商工会議所会頭で阿蘇海環境づくり協働会議の座長である今井一雄さんにお越しいただきました。今井さんから、「この地域の環境を元に戻すために頑張っていただきたい」とお話がありました。激励のお言葉を頂戴し、学生たちにはやる気がみなぎっている様子でした。

 しかし、台風の影響で大雨警報が発令されたため、午前の作業の途中で作業を中断することになりました。3日目には大雨警報は解除されましたが、阿蘇海の水位はとても高くなっていました。

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 夜には、宮津とり貝育成組合の会長で漁師の本藤靖さんをお招きし、懇親会を行いました。本藤さんから頂戴した宮津湾で獲れたワタリガニとタコを味わい、阿蘇海の自然の豊かさを知ることができました。

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 3日目は私たちが回収したカキ殻を、有限会社京丹後ふるさと農園様に持っていき、肥料として散布しました。カキ殻には桑が育つために必要なカルシウムが豊富に含まれており、まさに最高の天然肥料だと言えます。
 重いカゴを持っての作業は大変でしたが、獲ったカキ殻が地域で有効活用されていることを実感することができました。また、有限会社京丹後ふるさと農園様から桑の葉茶や桑の葉アイスを提供していただき、おいしく頂きました。

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 3日目の夜には観光船を2隻貸切らせていただき、交流会を開催しました。阿蘇海環境づくり協働会議の構成団体である京都府丹後広域振興局、宮津市、与謝野町の行政関係者をはじめとする計22名地域の皆様に参加していただきました。学生と地元の方が意見交換できる貴重な機会となり、有意義な時間を過ごすことができました。

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 4日間の活動を通して、目標の25トンに向けて学生と地域住民が一丸となって取り組みましたが、大雨の影響もあり、総回収量は22.2トンでした。

 閉会式には、京都府丹後広域振興局副局長の高石佳文さんがいらっしゃいました。高石さんは「今回の活動をはじめのステップとして、これから丹後地域全体に活動を広げてほしい」と、私たちの今後の活動に期待を寄せておられました。

 私たちが目指している「地域住民と自然が共生する持続可能な環境モデル」の構築は、地元の皆様のご協力、ご支援がなくては実現することができません。今回活動に参加してくださった計65名の方々をはじめとする地域の皆様に、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。 (立命館大学2年 藤田 竜伍)

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 尚、この活動は一般財団法人セブン-イレブン記念財団の助成を受け実施しました。