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京都府阿蘇海環境づくり活動

 8月26日から29日に京都府宮津市及び与謝野郡与謝野町にて、当協会の学生83名、事務局員1名の合計84名で「京都府阿蘇海環境づくり活動」を実施しました。
 阿蘇海は、天橋立により宮津湾と隔てられた閉鎖性水域となっており、外海である宮津湾に阿蘇海内の海水が流れ出しにくくなっています。よって、野田川から流入する栄養素が過剰に滞留(=富栄養化)し、牡蠣やアオサが大量繁殖しています。
 私たちは、その周辺の環境再生のために、産官学民の多様な主体による、地域住民と自然が共生する持続可能な循環型モデルの構築を目指しています。

 活動1日目の午前中は、吉野茶屋にて開会式を行いました。開会式では今回の活動のリーダーの西岡直哉(関西大学3年)が、「IVUSA の学生らしさ、元気、笑顔を大切にし、地域の方々との交流を通じて可能性を深めていきたい」とこの活動に対する意気込みを話しました。

 午後からは「カキ殻クリーン大作戦」が京都府の宮津市と与謝野町にて開始されました。宮津市では学生32名と一般参加者37名が、阿蘇シーサイドパークでは学生28名と一般参加者11名が参加しました。
 どの現場も活気に溢れ、地域の方々と意見を交わしながら有意義な時間を過ごすことができました。

 また、「カキ殻クリーン大作戦」と同時進行で「小学生向け環境学習会」を行いました。参加した小学生は「楽しかった!海について詳しくなった!また友たちと来たいです」と話し、笑顔で学習会に取り組んでいました。

 作業後、学生9名が「天橋立ビーチサイドBARリ・パン」の運営補助をさせていただきました。

 活動2日目の午前中の作業を宮津市の天橋立神社の鳥居前の現場と与謝野町の阿蘇シーサイドパークの現場の2ヶ所に分かれて行いました。

 気温が高い天候でしたが、青い空のもとに学生の笑顔と掛け声で活気が溢れていました。

 午後からは鳥居前の現場と並行して、阿蘇シーサイドパークで回収したカキ殻を、有限会社あっぷるふぁーむのりんご畑と与謝野町にある桑畑で散布しました。

 また、初めてこの活動に参加する学生を対象に、地元の中学生2名とともにNPO法人丹後の自然を守る会理事長の蒲田充弘様による船上環境学習会も行なわれました。

 作業後には、船の上で学生と地域の方々との交流会が行われ、44名の地域の方々にご参加いただきました。
宮津市の城崎雅文市長にもお越しいただき、「私たちも地域の住民に学生の阿蘇海の問題に対する思いが伝わるように努力していきたいです。皆様の活動に期待しています」とご挨拶がありました。
 学生は、地域の方々と美味しいご飯を食べながら、阿蘇海の問題や循環型環境モデル、これからの宮津市で行われるイベントなどについて話し合いました。

 活動3日目は、昨日に引き続き天橋立神社の鳥居前の現場でカキ殻回収を行う現場、同市の府中地区の海岸で清掃活動を行う現場、有限会社京丹後ふるさと農園で桑の葉を摘む作業を行う現場の3つに分かれて午前中の作業を行いました。
 天候には恵まれず、足場も悪い状況での作業でしたが声をかけ合い明るい雰囲気で作業しました。

 鳥居前の現場と並行して行われていた府中地区での清掃活動では、学生と地域の方を含め計48名での活動を行い、先日の台風20号の影響により砂浜にうちあげられた流木やゴミを収集しました。

 また、ふるさと農園で桑の葉を摘む作業は、この阿蘇海での活動では初めての試みでしたが、学生は楽しんで作業に取り組み、1時間30分ほどで約180kgの桑の葉を収穫しました。

 午後には、鳥居前の現場と並行して、ふるさと農園の桑畑にて午前中に回収したカキ殻の散布を行いました。
 この日のふるさと農園での2つの作業を通じて私たちが回収したカキ殻が再利用されていることを確認し、持続可能な循環型モデルの構築に向けて前進していることを実感しました。

 活動4日目は、宿舎として利用させていただいている吉野茶屋と智恩寺の清掃活動を行いました。
 清掃を終えた後は、班に分かれて吉野茶屋周辺を観光しました。その後、天橋立ビューランドに向かい、今回活動した天橋立および阿蘇海周辺の地域を一望しました。
 これらの活動を通じて、学生はこの地域の魅力を改めて感じた様子でした。

 活動中の最後の班ミーティングを終えた後、今回の活動の閉会式が行われました。
 閉会式では、今回の活動の成果報告の後、プロジェクトマネージャーの西岡直哉から、「学生も、地域の方にも感謝している。また、もう一度この活動に来たいと思ってもらえたら嬉しい」と挨拶がありました。

 今回の活動では、これまでの活動に引き続き地域の方々と共にカキ殻を回収することができた他、小学生向け環境学習会を実施し、さらに活動の輪を広げることができました。今後もこの活動を、地域の方々と共に取り組んでいきます。(同志社女子大学2年 川上 楓)