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京都府阿蘇海環境づくり活動

 8月23日から8月26日の4日間、京都府北部の阿蘇海とその周辺地域でIVUSAの学生93名と事務局員1名の計94名が「阿蘇海環境づくり活動」を実施しました。

 阿蘇海とは天橋立によりできた内海であり、内海という地理的環境や人為的影響により牡蠣やアオサなどが大量に繁殖しており、景観の悪化や悪臭、生物の生息環境の悪化などの問題が顕在化しています。
 そこで、カキ殻を回収し再利用することで、カキ殻回収を促進すると同時に、阿蘇海やその周辺の環境をより良くするサイクルを確立することを目的として本活動を行っています。

 活動初日、まずこの活動の開会式を行いました。ここで宮津商工会議所の今井一雄会頭から、「熱中症に気をつけて、先輩方が作り上げてきた活動を更に発展させていってください」とのご挨拶を頂きました。

 昼過ぎからは、4カ所に分かれてフィールドワークを行ないました。ここでは私たちが回収したカキ殻を肥料として利用されている農家の方や、牡蠣を獲っている漁師の方などからお話を伺い、阿蘇海の現状やカキ殻の利用価値などを知ることができました。学生からは「実際にカキ殻が使用されている現場を見て、他にもできることがないか考えてみたい」という声もあり、事前の学習に加え新たな学びも多くあったフィールドワークとなりました。

 2日目は宮津市文珠にてカキ殻回収を行いました。この作業では水中でレーキやスコップを使い回収したカキ殻をカゴに入れ、陸上でそのカゴの中に生きた牡蠣が無いかどうかを選別します。こうして回収したカキ殻の一部が畑や農園での肥料となります。
 作業中は暑い日差しの中での活動でしたが、全員で声を掛け合いながら張り切って作業をしました。

 また午後は8名の学生が有限会社京丹後ふるさと農園の桑の葉畑でカキ殻を散布しました。こうして自分たちの手でカキ殻を散布することで、カキ殻を回収し再利用するというサイクルを実感することができました。そして19時からは宮津市漁師町の「ととまーと」にて地域の方々との交流会を開催しました。
 地域の方々とお食事を共にし、阿蘇海周辺地域の魅力を改めて知り、私たちにとってとても有意義な時間を過ごすことができました。

 3日目は9時から「みんなでカキ殻拾うDay」と「小学生向け環境学習会」を同時に開催しました。両方のイベントを合わせて、大人から子どもまで57名の地域の方々にご参加頂きました。
 これらの活動が阿蘇海の問題を知ってもらい阿蘇海やその周辺地域の環境改善への大きなアクションになるキッカケになれば嬉しいです。午後からは学生のみで引き続きカキ殻回収を行いました。
 前日の作業でカキ殻回収に慣れた事もあり、回収作業は効率よく、また学生らしく大きな声を出しながら作業をすることができました。今回の活動では約18トンものカキ殻を回収することができ、作業前はカキ殻で覆われていた護岸も終了後は見えるようになり、学生たちも達成感を得ることができた活動となりました。

 活動最終日となる4日目は宿舎清掃を行なった後、学生内で1日目のフィールドワークで感じたことや学んだことなどを共有しました。フィールドワークでは4つのグループに分かれたため、自分が行っていない場所の知識も得られる貴重な機会となりました。

 昼食は吉野茶屋や天橋立ビューランドにて、宮津で獲れた牡蠣やアサリを頂きました。その後天橋立ビューランドを観光した後、この活動の閉会式を行ないました。今回の活動のリーダーである島岡亮多(立命館大学3年)は、「目標を上回る量のカキ殻を回収できたと同時に、みんなが地域住民の方と笑顔で協力しながら作業している姿を見ることができて、とても嬉しかったです」と挨拶があり、4日間の活動全日程が終了となりました。

 これからも阿蘇海、またその周辺地域の環境再生のために、私たちは活動していきます。

 最後にはなりましたが、この活動にご協力頂いた皆様に心より感謝申し上げます。(龍谷大学4年 大河原 一将)