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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから5月25日に、滋賀県大津市の瀬田川にて特定外来生物であるオオバナミズキンバイ(以下オオバナ)の除去活動を実施しました。活動は地元漁業者・住民・国土交通省の方々、IVUSA学生31名含む、計78名で行いました。
今回は瀬田町漁業協同組合主催で定期的に行われている瀬田川流域クリーン作戦に参加しました。活動場所である瀬田川は生態系が豊かで、多様な在来生物(魚介類はニゴロブナやセタシジミなど、水草はセンニンモ、クロモなど、その他鳥類や昆虫類)が生息しています。しかし外来水草オオバナの繁茂が深刻な問題となっています。
また瀬田川は琵琶湖→瀬田川→宇治川→淀川→大阪湾と繋がっており、瀬田川でオオバナを除去することは、瀬田川の生態系保全だけでなく、下流の淀川等の保全にも繋がります。
オオバナは南米原産の黄色い花が特徴的な特定外来生物です。オオバナは非常に繁殖力が強く、水路や沼地をびっしり覆い在来種の生育を妨げ、水流をせき止め、治水機能や生態系に深刻な影響を与えます。さらに淀川など琵琶湖下流域への流出・分布拡大を防ぐため、防除の継続が必要です。
はじめに開会式が行われました。大津市の佐藤健司市長から、「今年度初の瀬田川クリーン作戦に参加いただきありがとうございます。IVUSAの皆様も、これまでもオオバナの駆除に取り組んでいただいていますが、このような新しい交流が生まれたことを大変うれしく思っております。今年は国民スポーツ大会が滋賀県で開催され、瀬田川ではカヌーがあります。全国から選手関係者の方が来られるので、そういった視点からも是非お力添えいただければと思います」と激励のご挨拶を頂戴いたしました。
他にも関係者の方々からもお言葉をいただき、活動が始まりました。
参加者は、瀬田川の多地点に群生しているオオバナのもとへ、漁師さん方の船10隻に、3名ずつ乗船させていただき向かいました。瀬田川では前日にごみの回収作業も行っていたらしく、とても綺麗でした。
そして各船がオオバナの群生している現場へ到着すると作業を開始しました。オオバナは夏前にも関わらず大量に繁茂していました。また今回は時期的に黄色い花が開花しておらず、他の在来植物と共に生えているため見分けることも一苦労でした。
活動では手で行うほかにレーキや網も使いました。レーキは船の上からでも深くに生えているオオバナを抜けます。また千切れたオオバナが散乱しないように、それらを最後に網で回収しました。
抜き集めたオオバナは学生から漁師さんへと渡し、一旦船上へと引き上げ、溜まってきたタイミングで集積所へと運びクレーンでブルーシートの上へ移動させました。除去したオオバナは漁師さんの協力のもと焼却所へ運び焼却処分されます。
また活動中に見つかったごみや廃棄物は拾い集めました。
これらの作業を繰り返しオオバナ除去と清掃を進めました。各作業場では順調に作業が進み、活動前と後では見違えるほど綺麗になりました。
作業終了後、閉会式が行われました。閉会式では関係者の方から御礼と今後に向けての抱負をいただきました。
瀬田町漁業協同組合の方から、「今日は早朝から頑張っていただきました。事故なく無事に集まれたことを嬉しく思っております。IVUSAの皆様、大変力になっていただき、漁師一同喜んでおります。ありがとうございます。次の機会もまたよろしくお願いします。今日の成果は外来水草(オオバナ)の除去量約4トンになります。オオバナはだんだん暑くなると3倍4倍になっていきます。その時はまた、お力添えいただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」とのお言葉をいただきました。
今回の活動で、漁師さん方の知識やお力添えをいただき交流を深めながら活動させていただいたことで、今後の活動にも活きてくる大変有意義な機会となりました。またIVUSA学生もオオバナに対する熱意と元気さ、そして学生のパワーを漁業者や関係者にお届けできたと思っています。
今後もオオバナ除去活動も地域の方々と継続して取り組んでいき、参加者一人一人が社会課題の当事者としての自覚を持ったうえで、オオバナを含め外来種の除去を目的として河川や湖の環境改善に向けて活動していきます。
最後になりましたが、今回の活動でお世話になりました関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。(龍谷大学3年 高橋 希望、立命館大学3年 河合 仁恵、立命館大学2年 小川 武流)
※この活動はセブンイレブンの助成を受けて実施しています。