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沖縄県戦没者遺骨収集活動

 9月4日から9日までの6日間、IVUSA学生42名、沖縄学生2名、事務局1名の計45名で、沖縄県戦没者遺骨収集活動を実施しました。本活動は「戦没者やご遺族、仲間に寄り添い、遺骨収集活動を行い、戦争をしないという意志の継承者となる」ことを目的として、遺骨収集と平和学習の二本軸で展開しています。

 活動初日の4日には、那覇空港で集合後、宿舎である真栄平公民館にて結団式を行いました。結団式では、遺骨収集に関する注意点や人体の骨格構造に関する理解度テストが実施されました。夕方のミーティングでは、各自が立てた個人目標と、それを踏まえた活動への心意気を共有しました。さらに、翌日から始まる平和学習に臨む姿勢について話し合い、活動への意識を高めました。

 2日目は、沖縄戦の歴史を深く学ぶ平和学習を実施しました。まず、沖縄戦海軍の司令部が置かれていた旧海軍司令部壕を訪れました。壕内の薄暗い通路を進み、壁に残る爆撃の跡や当時の人々の生活を物語る展示品に触れることで、戦争の実態を実感しました 。

 続いて、住民が避難場所として利用していたイリユージガマを見学しました。ガイドの方の案内でガマの奥へと進み、ライトを消して当時の人々が過ごしたであろう暗闇を体験しました。光一つない空間で恐怖や不安を想像することで、戦争の悲惨さをより身近に感じることができました。さらに、沖縄県平和祈念資料館では、住民の視点から描かれた証言や資料を通じて、戦争が人々の生活をいかに奪ったのかを学びました。

 3日目から5日目は摩文仁にて遺骨収集活動をしました。まずは現場の整備として、生い茂る草木を刈り、散乱したごみを一つずつ取り除きました。地道な活動でしたが、心を込めて取り組みました 。
 その後、スコップで慎重に土を掘り進め、ふるいにかけながらご遺骨を探しました。こうした積み重ねの結果、ご遺骨を陽の元にお迎えすることができました。さらに、いくつかの遺留品も見つかり、当時の人々の姿を思い浮かべながら活動することができました。

 4日目は非常に暑い一日でしたが、休憩を取りながら活動を続け、午前中にはご遺骨をお迎えすることができました。午後も同様に厳しい暑さの中での活動でしたが、前日の経験から余裕が生まれ、3箇所で新たにご遺骨をお迎えできました。学生からは「ご遺骨をお迎えすることで、戦争の悲惨さを強く実感した」との声が多く寄せられました。

 5日目の午前は、これまでの学びと経験を胸に、全員が一層集中して活動に臨みました。その強い想いが通じたのか、この日も戦地で亡くなられた方々を陽の元へとお迎えすることができました。

 午後には沖縄県平和祈念公園の国立戦没者墓苑にて慰霊式を執り行い、先の大戦で命を落とされた全ての方々へ哀悼の意を捧げました。この祈りは、私たちにしかできない追悼の形であると信じています。


 
 最終日となる6日目には宿舎である真栄平公民館を、心を込めて清掃し、その後解団式を実施しました。最後の班ミーティングでは活動を振り返り、「平和とは何か」という問いについて一人ひとりが深く考える時間を持ちました。学生からは「遺骨収集について深く学べた6日間だった」「また参加したい」といった感想が寄せられ、活動のリーダーからは「今後も平和について考え続けてほしい」との言葉がありました。

 本活動は単なるボランティアではなく、過去の命と真摯に向き合い、未来へつなげるための大切な一歩です。沖縄の地で出会った人々の思いと、私たちが活動を通して抱いた責任感を決して忘れません。今回の経験を糧に、私たちは戦争の記憶を風化させないための「継承者」として、これからも活動を続けていきます。