NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



琵琶湖外来水生植物除去大作戦2025

 9月12日から9月14日の3日間にかけて、滋賀県高島市湖岸のヨシ植栽地で「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2025」を実施しました。滋賀県庁6名、陸上自衛隊今津駐屯地18名、日軽パネルシステム株式会社8名、IVUSA学生249名、事務局3名、卒業生16名、計300名で活動しました。
 今回の活動では総面積約4,700㎡の特定外来生物オオバナミズキンバイ(以下、オオバナ)を除去しました。

 オオバナは、2009年に守山市赤野井湾で発見された外来水生植物で、発見当初140㎡だったものが、2016年までで約2,000倍の30万㎡に拡大しました。この繁殖力の強さから、水質悪化や生態系、漁業への悪影響が危惧され、2014年には外来生物法における特定外来生物に指定されました。そこから2020年までは減少傾向にあり11,900㎡まで減少しましたが、2021年から増加傾向になり2024年には86,700㎡に急拡大しています。

 今回の活動場所である高島市湖岸のヨシ植栽地には、オオバナの大繁殖があり、豊かな生態系が脅かされています。また湖西の風や、北湖から南湖への水の流れによって琵琶湖全域に拡散する危険性があり、早急な対応が求められています。そのため高島市での除去活動は、高島市湖岸及び琵琶湖全体を守るうえで非常に重要な役割を果たしています。

 活動1日目、開会式では、滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課課長の清水暢子さんから「この活動が、皆様にとって素晴らしい経験となって、滋賀県、琵琶湖への関心がさらに深まる機会になることを願っております」とご挨拶をいただきました。

 午前の除去活動では、「引き抜き方式」と呼ばれるオオバナを根本から引き抜き、それをネットに集めて、仮置き場まで運ぶ作業をしました。引き抜き方式で抜いたオオバナは除去した後、仮置き場で乾燥した後、焼却処分をする必要があります。運搬時には水陸両生のオオバナが繁殖しないように、ブルーシートをひいて作業をしました。

 午後からは、引き抜き方式に加え、「淀川方式」と呼ばれるオオバナを根元から巻き上げ、泥を被せて光合成を防ぐことにより、繁殖を防ぐ除去方法で作業しました。淀川方式は袋詰めや運搬などの手間が省けるため大群落に対して効率よく作業を進めることができました。陸地やヨシに巻き付いて生えているオオバナは引き抜き方式で除去していました。

 活動2日目の活動では陸上自衛隊今津駐屯地の方々18名の方と一緒に活動しました。午前は1日目と同じ、引き抜き方式と淀川方式で除去しました。繁殖したオオバナはとても重く、根本から巻き上げるのは力のいる作業ですが、各現場のリーダーを中心として、みんなで声を掛け合って作業を行いました。

 また、昼食時には日軽パネルシステム株式会社の方々より協賛で大盛りの唐揚げ弁当と麦茶、除菌シート、応援のお言葉をいただきました。 

 関係者の参加、応援もあり、2日目は予定範囲以上のオオバナの除去をすることができました。

 夜には全員で宴会を行いました。この宴会では2日目までの活動の労いと、最終日により多くのオオバナを除去するために、IVUSA学生、卒業生、事務局全員で交流を深めました。

 また、OBの22期学生代表の井上哲貴さんより挨拶がありました。井上さんは、2014年に第1回目となる約600名の学生が参加した「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2014」でリーダーを務められました。夏の大作戦の始まりや大学生の力で琵琶湖を守りたいという熱い想いで仲間と壁を乗り越え社会を動かしたエピソードを話していただき、その話を聞いた全員の学生は、最終日に向けてモチベーションを一層高めていました。

 活動最終日の朝に、お世話になった宿舎の清掃を行い、除去活動に向かいました。
 午前の除去活動では、1日目、2日目と同じ淀川方式で除去しました。

 午後からは、午前の淀川方式での除去活動の続きと取り残しをなくすための仕上げとしてみんなでオオバナを丁寧に除去しました。少しでも水面に茎などが残っていると再繁殖してしまうため、泥をかけたけれどしっかり被せていない箇所やオオバナが浮いてしまっている箇所を埋め戻しました。

 作業終了後、閉会式を行い、この活動のリーダーである大久保樹(立命館大学4年)から、「1年生の時に初めてオオバナに参加して感じた達成感、仲間との結束。毎年参加し続けたらリーダーになっていた。リーダーとして皆の全力を発揮できる環境を整え、最後までオオバナを抜ききることを意識して準備してきた。自分が今まで何十回も参加してきた活動の中で、今回は過去1番だと言えるくらい除去できて綺麗だった。IVUSAは挑戦できる場があるので、みんなも活用して成長してほしい」と挨拶がありました。

 最後に今回の活動を作り上げたリーダーたちを全員がサプライズで労い、達成感の余韻と笑顔の中で「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2025」は幕を閉じました。今回のオオバナの総除去面積は4,700㎡で除去重量は34トンでした。

 今回の活動は、IVUSA学生262名と近年のIVUSAの様々な活動の中でも最大規模となりました。今後も引き続き、オオバナミズキンバイの完全除去に向けて、大学生のマンパワーを活かして除去活動を続けていきます。

 最後になりましたが、今回の活動に携わっていただいたすべての方々に感謝致します。ご協力、本当に有難うございました。今後ともよろしくお願い致します。

 この事業はびわ湖チャリティー100km歩行大会、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会、そして、一般社団法人セブンイレブン記念財団からの助成金・寄付金を使用して活動を行っております。

主催:NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)
後援:滋賀県
協力:湖西漁業協同組合、陸上自衛隊今津駐屯地、認定NPO法人びわこ豊穣の郷
お弁当協賛:日軽パネルシステム株式会社
無線機無償貸出:西菱電機株式会社
物品協賛:希望食品株式会社、東和製薬株式会社、ランドアート株式会社、イカリ消毒株式会社