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日独学生青年リーダー交流に参加しました。

 8月30日に、法政大学市ヶ谷キャンパスにて日独学生青年リーダー交流が行われました。

 この交流会は、1996年に行われた橋本首相とコール首相の日独首脳会談において、 次世代を担う日独青年の交流が今後一層拡大されるべきであるとの 認識が共有され、翌年、日独両国が発表した 「日独青少年交流の強化についての共同発表」に基づき、誕生した事業の一つです。
 日本とドイツの青少年団体等でリーダーとして活動する学生・青年等が、 文化体験、意見交換、機関や団体で体験活動等を行うことにより、 青年リーダーとしての資質を高めるとともに、 日独の交互理解と交流の発展を図ることを目的としています。

 今回は、このプログラムを主催する独立行政法人 国立青少年教育振興機構からお話をいただき、IVUSAが日本の学生ボランティアの代表として、半日間、若者のボランティア活動の現状について、議論させていただくことになりました。

 テーマは「若者の社会への参画」

 地域活動、国際理解など、様々な分野で活躍する17人のドイツの青年リーダーと、IVUSAの学生13名の合計30名で、両国におけるボランティアの事情や現状について意見交換を行いました。



 まず、IVUSAの歴史や組織体制、活動事例について説明をした後、「日本とドイツにおける、ボランティアの背景や事情」についてグループごとに話をしました。
 ドイツでは、小さい頃から育った環境に多くのボランティアがいたことから、年齢が上がるにつれ、ボランティアをすることはごく当たり前のようであり、また徴兵のかわりに、ボランティアを行うことなどを知りました。
逆に、日本では、まだボランティアが全ての年代に浸透していないことや、宗教的なバックグラウンドを持ってボランティア活動を行うことがそれほどメジャーではないことなど、ボランティアへの参画や背景について日独で大きな違いが見られました。

 次に、環境問題・地域活動・災害救援の3つの分野ごとにそれぞれのグループで、活動事例や、活動の背景、今後の展開を話し合いました。
 災害救援では、主にドイツの災害救援に対してのサポート体制について話を聞きました。ドイツでは消防団員や赤十字でのボランティアをしている人に対して、授業中であれ仕事中であれ、災害が起きると専用連絡機が鳴る仕組みや、救援に行くことでにロスした仕事を換金する仕組み、学生であれば出席など免除になるような仕組みが法律的に保障されているため、学業や勤務と並行してボランティアを行える環境が整えられているということでした。

 地域活動のグループでは、日本とドイツの過疎化の問題を中心に解決策を考えながら話し合いをしました。両国とも、若者が都市へと流れてしまう傾向があり、その背景には、田舎には仕事がないということがありました。この過疎化の問題に対してドイツでは、若者が田舎に戻りたくなるような、魅力的な街をつくろう、という活動が始まっているようで、日本も同様に、魅力的な街をつくる活動を活発化させる必要があると話をしました。

 環境保護のグループでは、主に日本のエネルギー問題についてや、国の政策について話をしました。グループの中で話し合いを進める中で、様々な政策や活動がみられるが、ゴミ問題などの環境問題に対して個々人の意識を高く持つことが重要だということが話し合われました。
 また、ドイツの学生から「今、自然より人間の方が大きくなっている現状がある。それを自然が大きく、人間は自然よりも強くないという、元の自然の形に戻したい」という意見を聞きました。



 ボランティアの先進国であるドイツでの活動や、社会問題を聞き、日本も同様の問題を抱え、活動をしていることを知りました。そして、ドイツのメンバーの社会問題に対する意識の高さには、IVUSAのメンバーも大きな刺激を受けました。
 異なる環境でボランティアをするドイツの仲間と約2時間もの内容の濃い議論を交わし、有意義な時間を過ごすことができました。今回の議論で得た考えや価値観を、これからIVUSAの活動にも活かしていきたいです。(聖心女子大学4年 金澤 翔子)