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第16回世界湖沼会議に参加しました

 11月7日、8日にインドネシア共和国 バリ島で開催された「第16回世界湖沼会議」に参加しました。IVUSAは分科会での発表とポスターセッションを行い、琵琶湖で異常繁茂している特定外来生物オオバナミズキンバイの除去を行政・地域NPO・漁協・住民と協働して取り組んでいることや早期発見して早期除去することが重要であることを紹介しました。

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 この世界湖沼会議とは、1984年に滋賀県で提唱されその後、世界各地で開催されています。研究者、行政、市民が一同に集まり、世界の湖沼及び湖沼流域で起こっている多種多様な環境問題やそれらの解決に向けた取り組みについての議論や意見交換の場となっています。
 一昨年の活動の場で駒井千代滋賀県議会議員にお声かけいただき、滋賀県、公益財団法人国際湖沼環境委員会(ILEC)の協力のもと、今回の世界湖沼会議に参加させていただきました。

 1日目の午前より開会式が行われました。滋賀県のびわっこ大使とインドネシアの子どもたちが湖沼に関する開会のスピーチするプログラムから始まり、インドネシアの環境林業大臣やバリ地方知事、ILECの浜中 裕徳 理事長が開会の辞を述べました。
 また、三日月大造滋賀県知事の基調講演があり、観光地としての滋賀県の魅力や石鹸運動の歴史、琵琶湖の外来水草の問題解決に向けて取り組んでいることが発表されました。

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 午後の分科会の発表では、世界各国の多くの方々が集まりました。

 今回、IVUSAが発表したテーマは「Nationwide Cooperation of University students in Removal of Invasive Aquatic Weed in Lake Biwa,Japan~日本全国の大学生による琵琶湖における侵略的外来水生植物の除去の取組み~」であり、オオバナミズキンバイの特徴や悪影響、IVUSAが行政やNPO、漁業組合など他の協力団体と連携して除去活動を行なっている事例を話しました。

 また、オオバナミズキンバイの群落の大きさによってかかる除去時間、対策費用を比較した事例を挙げ、特定外来生物を早期発見して早期除去することや多様な主体と協力して活動することが重要であると強調しました。

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 2日目は午前からポスターセッションを行い、世界各国の方々が見に来てくださりました。
 こちらでもオオバナミズキンバイの特徴や、協働の取り組み、初期対策の重要性などについて説明しました。

 また、海外の方から各国の環境問題の話を聞くことができ、日本だけでなく海外でも外来水草が問題となっていることを知りました。インドネシアでは、外来植物のホテイアオイが問題になっていますが、外来植物除去後に鞄や家具などに再利用し、販売する事で地域の方が生計を立てているという事例を教えていただきました。

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 午後からは分科会で認定NPO法人びわこ豊穣の郷の守山市を中心にした地域一体となったオオバナミズキンバイ除去活動の取り組みについて、IVUSAのOBであり、活動のアドバイザーを務める中村俊哉から発表しました。
 発表後には海外の方から「どのように外来水草の除去作業をしていますか?」「外来水草除去による琵琶湖の水質改善はありますか?」など沢山の質問をされ、非常に多くの方が各国で外来水草の問題を抱え関心を持っていただいたことを実感しました。

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 2日間、様々な国の方のプレゼンテーションの質疑応答やポスターセッションでお話させていただきました。
 インドのある地域では、水が綺麗でないため病気になり学校に通えず、教育を受けれない子どもたちが多かったそうです。インド人の研究者の方は、水を綺麗にする装置を製作したことで、水が綺麗になり子どもの病気が減り、学校に出席できるようになった生徒が増えたというお話を聞きました。また、バリ島の寺院周辺には、ゴミが全く落ちていなく、観光地としての住民の方々の意識の高さが湖沼の水質保全に繋がっている事も知りました。

 国境を越えて湖沼関係の環境問題について共有し、話し合うという貴重な時間をいただきました。世界湖沼会議に参加する機会を与えてくださった駒井千代 滋賀県議会議員をはじめ、ILEC、滋賀県庁、この活動の関係者の皆様、ありがとうございました。
この経験を私たちの活動の次のステップへと踏み出せるよう活かしていきます。(龍谷大学3年 西出 侑生、同志社大学3年 岡本 佳奈、関西大学3年 平石 萌、滋賀大学4年 谷 清隆)

※この活動では株式会社ビジョンのグローバルWiFiを利用させていただきました。

※この活動では平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けています。

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