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琵琶湖外来水生植物除去大作戦2017

 9月8日から10日にかけて、滋賀県南部の大津市、草津市、守山市 にてIVUSA学生514名一般参加者82名が特定外来生物オオバナミズキンバイ及びナガエツルノゲイトウの除去活動を行いました。

 活動の結果、陸地に繁茂する大小さまざまな群落を553ヶ所、除去面積3,075㎡、総重量約23トンを除去しました。

 オオバナミズキンバイは、2009年に守山市の赤野井湾で確認された外来水生植物で、7年間で約2,000倍の30万㎡にも拡大する非常に強い繁殖力や再生力で異常繁茂をしています。これにより、水質の悪化や琵琶湖特有の生態系への悪影響、漁業への影響が危惧されています。

 活動初日の朝、滋賀県草津市烏丸半島にて結団式を開催しました。草津市の橋川渉市長より、「水草に勝つために、3日間怪我の無いように頑張ってください」と激励の言葉をいただきました。その後、全員で円陣を組み、活動へのモチベーションを上げました。

 結団式の後、烏丸半島の湖岸沿いに移動し、除去作業を行いました。
 除去作業は多くの学生が初めての経験で、慣れないながらも「完全除去」という目標の下、一本も茎や根を残さないよう、丁寧な除去を心掛けました。

 また、地域の方々にも「暑い中大変でしょうが引き続き頑張ってくださいね」と声をかけてもらい、元気を出して活動しました。

 活動2日目の朝、大津湖岸なぎさ公園にて開会式を行いました。
 最初にIVUSAの谷口純平副代表理事から主催者を代表し挨拶がありました。

 続いて、滋賀県の三日月大造知事より、「琵琶湖の重要課題にオオバナミズキンバイがあり、私たちも除去しているが間に合わないのでより多くの人の力を借りないといけない。またIVUSAの皆さんも水草に負けないように除去活動に取り組んでいただき、またこの機会に滋賀県や琵琶湖に興味を持ってもらいたい」というお言葉を頂きました。

 そして、本協会第25期学生代表であり本活動のリーダーである水口裕喜(関西大学4年)より開会宣言がありました。

 開会式の後、大津市なぎさ公園、瀬田川に分かれ除去作業を行いました。
 なぎさ公園では一般参加者を事前に募り、53名の一般参加者に参加していただきました。初めてオオバナミズキンバイに触れた方や研究をしている方までたくさんの方々にご参加していただき、「オオバナの問題の深刻さにもっと早くに知り活動に参加したかった。また参加したい」という声がありました。

 閉会式では共和化工株式会社の松澤泰宏様、近畿大学の西野泰輔様に現在研究しているオオバナミズキンバイの有効活用についての話をしていただきました。
 尚、大津市で除去したオオバナミズキンバイは共和化工様に引き取っていただき有効活用の研究に使われます。

 瀬田川では3箇所に分かれ活動しました。国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所様、ウォーターステーション琵琶の会様、計17名にも活動に参加していただきました。

 また、地域の方々に「瀬田川のためにありがとう」と声をかけていただき、元気づけられながら活動しました。

 瀬田川の現場は水中まで繁殖している箇所があり、胴長やライフジャケットを着用し、また船の上からも作業を行いました。

 活動3日目、活動の最終日となるこの日は、草津市志那の湖岸緑地と守山市赤野井の湖岸緑地で除去活動を行いました。

 活動場所はオオバナミズキンバイやナガエツルノゲイトウなどの特定外来生物だけではなく、他の植物と混生した状態でした。そのため、これまでの2日間の除去活動よりも外来種との見分けが難しく、より慎重に除去活動を進めていきました。

 また根や葉、茎を一つも残すことが無いよう根取り機を使用し、丁寧に除去していきました。

 赤野井湾の活動場所では、守山市立守山中学校環境部の生徒7名、教員1名の方と除去活動を行いました。

 午後からは、全隊員が草津市志那湖岸緑地に集結し完全除去を目指して最後のスパートをかけました。全員が同じ場所に集まり作業を進めていくことで、より一体感を感じながら作業を進めていくことができました。除去したオオバナミズキンバイはネットに詰めてトラックで仮置き場に運びました。

 仮置き場ではトラックから積み下ろし乾燥させるために広げて置きました。

 活動後に行われた閉会式では、本活動のリーダーである水口裕喜から挨拶があり今回の活動は終了しました。

 最後になりましたが、今回の「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2017」に関わってくださった、多くの団体や企業、地域住民の皆様のご協力をいただき3日間の活動ができました。深く感謝申し上げます。
 そして今後ともよろしくお願い致します。(京都産業大学3年 菅 翔梧、関西大学3年 村上 太紀、龍谷大学2年 朝日奈 豊、京都産業大学2年 広瀬 敦也)

【プロジェクトリーダーより】
 完全除去を目指して走り抜けた3日間。
 隊員たちが声を出し、一生懸命にオオバナミズキンバイ除去に取り組む姿に心を打たれ続けました。

 琵琶湖外来水生植物除去大作戦は今年で4回目。
 行政を巻き込み、企業を巻き込み、地域を巻き込んできたこの活動は次のステージへと向かいました。一般参加者を巻き込み、IVUSAの活動から更に大きなオオバナミズキンバイ除去運動へ変えるために。

 関東、関西、九州でも発見されているオオバナミズキンバイは、もはや滋賀県だけの問題ではなくなってきています。しかし、オオバナミズキンバイの認知度は低く、そのため除去に携わる人も足りていません。
 昨年の最大生育面積は30万㎡、人が管理できる限界がもうすぐそこまで来ており、IVUSAや行政だけでなく、様々なセクターを巻き込んで、継続的な除去活動を行っていく事が急務です。
 今回の活動では、多くのことを学びました。この経験を活かして、次回の活動ではより多くの人と活動が出来ればと考えています。
 この活動に携わってくれた多くの方々、多くの仲間に感謝を、この活動の未来に期待を抱き、後輩に繋いでいきます。

 最後に
「人間が勝つか、水草が勝つか、答えは当然人間だ」
NPO法人国際ボランティア学生協会 25期学生代表 水口 裕喜(関西大学4年)

主催:NPO法人国際ボランティア学生協会
共催:琵琶湖外来水生植物対策協議会
後援:滋賀県
協力:滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課、大津市環境部環境政策課、大津市都市計画部公園緑地課、大津市環境部廃棄物減量推進課、国土交通省近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所 瀬田川出張所、滋賀県南郷水産センター、大津警察署、草津市環境経済部環境課、草津市総合政策部企画調整課、独立行政法人水資源機構、草津市立水生植物公園みずの森、志那漁業協同組合、山田漁業協同組合、滋賀県立琵琶湖博物館、イオンモール草津、守山市環境生活部環境政策課、守山市環境生活部ごみ減量推進課、近江鉄道ゆうグループ、玉津小津漁業協同組合、認定NPO法人びわこ豊穣の郷、守山市立守山中学校、NEST、旅館白浜荘、明和工業株式会社、共和化工株式会社、株式会社明豊建設、近畿大学鉄鋼材料研究室(敬称略・順不同)
協賛:株式会社ユタカメイク、モンスターエナジージャパン合同会社、東京サラヤ株式会社、ライオン株式会社、株式会社マンダム、株式会社伊勢惣、赤穗化成株式会社、株式会社ボルート、ソラーレ株式会社、株式会社オンザウェイ、西澤千春(敬称略・順不同)
活動参加団体:共和化工株式会社、京都桂川流域クリーンネットワーク、近畿大学鉄鋼材料研究室、認定NPO法人びわこ豊穣の郷、たねやグループ、社会福祉法人檸檬会、関西大学ボランティアセンター、草津未来プロジェクト(敬称略・順不同)