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長野県北信地域森林整備活動

 8月6日から8月9日に、関東・関西の学生97名、事務局員2名で長野県北信地域森林整備活動を行いました。

 虫の被害による立ち枯れや倒木の放置、成長を妨げる植物の繁殖、進まない間伐、治山事業終了後の管理の厳しさなど様々な課題があります。
 そしてこれらを放置することで、森林本来の機能を果たせなくなり、土砂災害などの自然災害につながっていきます。また、日本国内の林業の需要の低下、林業に携わる人の減少、高齢化で森林の整備が進まないのが現状です。

 この現状を受けて、長野県信濃町出身の学生の「地元の森を守りたい」という夢からこの活動は始まり、今年で3年目を迎えました。

 1日目の活動では、温湯地区の鳥獣被害を受けている地域で柵を立てる場所の付近に覆われている草木を除去する作業をしました。動物と人の境界線をはっきりとさせることで、動物の害を防ぐ目的です。
 途中からの急な強い雨によって、作業は中断することになってしまいましたが、全長280mの範囲を整備することができました。

 作業終了後、長野市内の山際にある温湯地区の地域の方々との交流会を実施しました。地元の野菜や果物をいただきながら、楽しくお話をしました。
 地元の方は、「また来てほしい」「君たちが来てくれるから、私たちは頑張れる」と言ってくださいました。それを聞いて「その言葉を聞けただけでも来て良かったと思えた」と言う学生もいました。

 2日目は、信濃町樅ヶ崎県有林で、太陽の光を差し込ませ、若い木の成長を促すことを目的として森林整備活動を行いました。

 台風5号の影響で次の日には作業が出来ないということで学生たちは大きな声を出し合い、結束し、去年の活動までで整備した範囲8,000㎡の再整備と、今年新しく整備した7,000㎡の範囲を整備することが出来ました。

 その結果、2日間で完遂する予定であった範囲を1日で完遂することができました。

 最初は慣れない作業で戸惑っていた様子の学生も、2日目となると自分なりにコツを掴んでスピーディに、かつ着実に作業を進めていました。

 作業終了後、信濃町野尻湖体育館にて地域の方をお招きして、県有林の利活用についての提案会を実施しました。学生のアイデアに、地域ならではの様々な意見をいただきました。

 提案会に参加した学生は「地域の方は継続的、定期的な活用方法を求めているということを知った」と言っていました。実際に地域の方の声を聞くことができて気が付くこともあり、とても有意義な時間を過ごせました。

 3日目は、7日に整備した樅ヶ崎県有林の利活用について案を出すグループワークをしました。
 その中には、小学生のいる親子をターゲットにし、ウォークラリーや飯盒炊爨を企画する学生もいました。「自分が整備したところなので愛着が湧いた。これからももっと良い案を出せるように考えていきたい」という学生の声もありました。

 活動最終日には、最後のミーティングをして、この4日間をふり返って感じたことや活動が終わってからどうしていきたいかを全体で共有しました。

 そこでは「一過性のものにするのではなく、小さなことでも自分たちにできることはあるので、頑張って行動していきたい」という声もありました。

 今回の活動は終わってしまいましたが、これで終わりではありません。ここからが始まりです。私たちはこれからも森林について考えそして、共に考えて活動する人を増やしていきます。

 今回の活動にご協力いただきました皆様に心から感謝申し上げます。(中央大学2年 山本 瑛司)

【プロジェクトマネージャーより】
 「地元の森を守りたい」
 そんな本協会学生の夢から始まったこの活動は早くも3年目を終えました。

 今年度の活動の目的である「森を守り、人と森の繋がりの軸を作る」

 森林整備を通して大切な森の機能を守ることに加え、地域の方々だけでなく森林とは遠い生活を送っている人々を巻きこみ共に長野の森で活動することにより、森林が抱える問題や環境問題を身近に捉え、関心を持つ人を長期的に増やすことを今回の活動では掲げました。
 そこでは、地元の方との作業や地域の方との樅ケ崎県有林の二次的利用プランに関する提案会などを通して、まず学生自身が森林整備の大変さや森の大切さを学ぶことができたのと同時に、若者の元気を長野県に置いてこられたと思います。

 今回、たくさんの方のご協力のおかげで活動の実施まで至ることが出来ました。
 ありがとうございました。(中央大学3年 鈴木 祐介)

 尚、この活動は公益社団法人国土緑化推進機構の「緑の募金」の支援を受けて実施しました。